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【Session1】対話型アート鑑賞と花束をつくるワークショップ

開催日時:2023年1月
場所:花やチセ(辻堂)
参加者:6名

チセさんがご用意くださったイメージワーク用のお花たち。

◎私の決めたWSルール

 全てのWSに共通して行うこと、つまり、私のWSのルールを決めました。  
 それは名札作りです。
 はじめに名札をつくっていただくことから始めてもらいます。(早く到着された方には待ち時間を使って名札を制作していただきます)
 名札はハガキ大の画用紙を山折りにしたシンプルな作りです。そこに名前を書いてもらうのですが、条件は2つ。
1、本名じゃなくてもOK。WS中に「その日、私に呼ばれたい名前」を書いていただきます。
2、色鉛筆、クレヨン、サインペン、用意した画材は何を使ってもいいのですが、使用して良い色数は3つまで。つまり、3色だけで好きなように描いてもらいます。
 
 
初回の失敗としては、ダイソーで購入したカラーペンの発色が薄くて、書いていただいたお名前が見えずらかったことです…。2回目からは見えやすさ重視のクレヨンやサインペン(ダイソーで売っている別の商品)を用意するようにしました。

ある日、ある方の名札です。

◎アイスブレイク

 自己紹介を兼ねたアイスブレイクではアートカードを使用しています。
 この日は、「選んだカードに擬音をつけて」発表してもらいました。こちらは受講中に教えていただいたもので、竹橋の東京国立近代美術館のミュージアムショップへ足を運びアートカードを購入して実践しました。
 30代〜60代の参加者の皆さんは、表現力が豊かで、ご自身が抱えている職場での悩みや家庭の状況を織り交ぜながら自己紹介をしてくださり、和やかな雰囲気でのスタートとなりました。

◎対話型アート鑑

1枚目はルノワール「シャトゥの舟漕ぎたち」を鑑賞。

シャトゥーの舟漕ぎたちを鑑賞中。

2枚目はシャガールの「誕生日」を鑑賞。

花束が描かれているところは目隠しして鑑賞中。

※今後のWSへの影響を考慮し、ここでは対話の詳しい内容は割愛しますが、お友達同士で参加して下った方を中心に対話が弾みました。

絵との距離感で見え方も変わることを伝える

 鑑賞用の絵画はA2サイズのパネルに仕上げてあり、6名が覗き込める位置(テーブルの端)に設置しました。
 途中、私が絵画を持って場所を前方から後方へ移動し、絵画の距離感で絵画の印象が変わることも感じていただけるよう工夫しました。
 今回はコーチングという難しい概念を押し付けるのではなく、まずは、チセさんを含めて対話型アート鑑賞とはどういうものなのかを知っていただくため、とことんアート鑑賞を楽しんでいただけるよう努めました。
*観賞用のパネルの紹介については別のトピックでご紹介いたします。

参加者の心を掴めなかった絵画 

 2枚目のシャガール「誕生日」の鑑賞について、焦ったことがあったのでここに記しておきたいと思います。
 1枚目の「シャトゥーの舟漕ぎたち」の鑑賞でだいぶ鑑賞のコツをつかまれたみなさん。「次の作品はこちらです!」とシャガールの絵画を提示すると、
「あんまり好きな絵ではない」
「美術館に飾ってあったらすぐ通り過ぎちゃうかも」
というネガティブな印象が次々と語られました。
 私は内心、焦りました…というのも、今回のイメージワークではこの絵画に描かれている花束をイメージして制作してみよう、という内容だったからです。
 絵画のパネルには予め花束の描かれた部分だけ、付箋で目隠しをしておき、対話型鑑賞の後にイメージワークに移るという段取りでした。
 しかし、対話型鑑賞を進めていくと、みなさん、描かれている人物の関係性やシャガール独特な色使いなど見所がたくさんあることに気づいていきます。
 対話型鑑賞のおかげで、初見よりはポジティブな印象を持って花束の制作に取りかかっていただくことができました。(安心しました…)

◎実践としてのイメージワーク・花束の制作

 対話型鑑賞で研ぎ澄ました感覚を大切に、絵画の中に描かれている花束を想像して制作してみようというイメージワークに挑戦していただきました。
 先述した通り、絵画のパネルには花束の部分だけ付箋で目隠ししておきました。
 まずは、絵画の全体の色味、花束を持った女性の姿、そこから想像されるストーリー…じっくりと絵と向き合って、イメージを想像していただきました。
 そして、チセさんが用意してくださった素敵なお花の数々から規定の本数のお花を選んでいきます。
ーー誰からもらった花束?
ーーこの女性は何色が好き?
ーーこれは一体どんなシチュエーション?

このイメージワークのポイントは、
1 自分の好きな花を選ぶのではない
2 絵画との対話をしっかりと行って自分なりのストーリーを考えてみること

です。

そうして個性あふれる6つの花束が誕生したのです。

思い思いの花を選んでいます。
チセさんが束ね方を教えてくださいました。
どのようなイメージで花を選び、花束にしたのかをお話しいただきました。

【イメージワークの感想】

「絵画の上部、下部の配色を見て、描かれている位置から考えるとこんな色の組み合わせかなと思いました」

「この花をひと目見て、ベラ(描かれている女性)にぴったりだなと思いました。この花をいかすために他の花の色合いを考えました」

「初めてフラワーアレンジメントをしました。絵の中に黄色が入るのではないかな?と思って黄色い花束にしました」

「普段は自分の好きなものを選ぶだけなので、いつもは選ばない花をピックアップできてワクワクしました!」

 みなさん、本当によく絵画を観察されて素晴らしい花束を制作されていました。制作された花束をみなさんで鑑賞した後、チセさんが一つずつラッピングしてくださり、お持ち帰りいただきました。

【対話型アート鑑賞の感想】

「絵画を観ることでこんなに自分の感性が研ぎ澄まされることを知りました」

「コロナ禍や年齢を重ねたことにより、他者の言葉を受け入れることができなくなっていましたが、これからの時代にとても必要な力だと思いました」

「人によって同じ絵でもこんなに感じ方や見方が違うことに改めてびっくりしました。その時の心の持ちようで絵の印象が違って見えるのかも…と考えさせられました」

「絵画の知識がなくて心配だったけど、私の発言をみなさんに受け入れてもらえてよかったです」

「自分一人で見ているのとは違い様々な意見があり、見方があり、楽しかったです」

「あるがままを受け入れておしまい!の絵画鑑賞をこれからは別のものにしたいです」

 WS初回を終え、店主の小笠原さんとともにアンケートに目を通しました。そして、「次回もぜひ、開催しましょう」と嬉しいお言葉をかけていただきました。
 私のアートマインドコーチとしてのデビューは反省点はたくさんあれど、みなさんのご協力のおかげでとっても楽しいものとなりました。

始まる前の緊張を残しておきます。初心忘れるべからず。

Session2につづく


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