雑記:(clusterで)どういうゲームを作ればいいんだ
VR-TRPGサークル「ぐだぐだぶとん」代表の逆凪です。
思考開示の雑記第二弾。所詮VR-TRPG関連のゲームしか作っていないのでガキが...舐めてると潰すぞ...されてしまうかもしれないが、まあ適度なテンションで読んで欲しい。
clusterでゲームを作る身としてはどんなゲームを作れば良いのだろう?(え?clusterにはソーシャルワールドだけで良いって?...かもね。)一時期clusterはユーザーに(MMO)RPGを作って欲しがっているように私には見えたが気のせいだろう。そんな面倒な物作りたくない。
とりあえずclusterの特徴から考えてみる。細かい所までは分析しなくて良さそう。雑記でやる事じゃない。
まず「VRSNS」である事。プレイヤー間のコミュニケーションを生むマルチプレイゲームが主流で、自分の好きなアバターで自撮りしてSNSに上げられるので写真映えも重要。
更に「処理が軽く、スマホ対応」である事。VRChatやNeosVRと比べてできる事やグラフィックの美しさは落ちるがその分ライトユーザーの人口を確保できる。
簡単に纏めると、クオリティは求めすぎず、ライトユーザー向けのマルチプレイゲームを作れ。という事になるがこれだと流石に浅い。論理構造を順序だてて書くのが面倒になってきたので、もう少し深く潜るが要素を箇条書きにさせて貰う。
・クライマックスはしっかり作る(ストーリーの話)
物語性を少しでも含むワールドなら、クライマックスが一番重要だ。
クライマックスは、ゲームを遊んだ(遊んでやった)プレイヤーが最後に受け取る物であり、ここで満足感がだいぶ変わる。(特に短編はそう。数十時間のゲームとかだと序盤も重要な印象がある。)
特にデータ容量を軽くする必要のあるclusterにおいては序盤中盤はある程度コストカットしても、終盤は心躍るようなシーンを用意しておくべき。記念撮影でそこの写真を撮ってくれるかも。(ネタバレ禁止のゲームだったら、Twitter投稿用の写真撮影スポットと自分用のクライマックス写真が撮れるようにしておくと良い。)
4月末の「全て忘れてしまえたなら」公開プレイイベントはその点クソでしたよねって?正しい。たまには愚痴らせてもらうと、サークル員の一部は締切直前にやれば終わる主義で、制作中期に動いているのが自分しかいなかった結果こうなった。あとDLの練習サボった奴もいたな...内心結構怒ってた。
・VRらしさや面白い演出を詰め込む(ゲームの話)
PCVRと違って足元のガレキの細かく美しい描写まで拘る事はできない。やらなくていい。その代わりにVRゲームとして満足して遊べるような要素を確保しておくとゲーム全体を楽しんで貰える。
具体例として最適なのが最強の物語×VR「アルトデウス:BC」だ。こんなnote見てる暇があったら今すぐ買って遊べ。巨大ロボ・キャラとの近さ・主人公であるクロエと身体的にリンクしている事を実感させる選択と決断・自分がVR空間に干渉している事を実感させるアクションパートなど「VRらしい」魅力が高負荷高クオリティのVRアクションゲームより詰まっている。そしてその魅力をストーリーが更に素晴らしい物にしている。
つまり、面白いゲームを作りたければ「VRらしさ」とは何たるかを理解し自分の手札に加える必要がある。という事で登壇して初歩的な話をしてきたのが「ワールド制作ゆるゆる勉強会」だった。以下のnoteに使用したスライドが置いてあるので興味があればどうぞ。
PCVRの「half-life Alyx」では障害物を手で掴んで取り除くシーンがあるが、これはVRらしいがゲームの戦略性に関わってこなければあまり面白いとは言えず、clusterで作るようなゲームに実装する必要は無い。
一方で、同じように手を使うだけのアクションでも物語性や戦略性が加われば実装すべきVRらしい演出になる。試しに作ってみたのがこの「彼女の居場所」。動作としてはただ「掴んで引っ張る」だけだが、仮想管理AI"REAL"の制御装置から記憶板を抜き取るという物語性が加わると途端に面白くなる。
メタルギアソリッドピースウォーカーのあのシーンをVRで体験できるのだ。
あまり大声では言えない疑問なのだが、企業のVRコンテンツに対して「彼らはVRそんなにやってないから微妙だったよね」と言う意見をよく目にする。それは正しいのだが、では我々は「VRらしさ」とは何かしっかり理解しているのだろうか?それを超えるような設計はできて万人受けする物が作れるだろうか?TRPGシナリオは万人受けが不可能と言われているが、VRコンテンツもそうじゃないか...?
VR普及して欲しい!と言う割には小社会で留まろうとしているような...おっと、誰かきたようだ。まぁ個人企業関わらず成長しながら作り続けるのは絶賛されるべきことと言うことで。
・独自性は分かりやすく
VRSNSでワールド投稿者が収益を得られるようになるのはいつになる事やら...と言われている昨今だが、一応その時の準備をしておく必要がある。(実際生活費が厳しいのである)いわゆる先行投資という奴なのだろうが、何か自分でそう言ってみるとかっこ悪いなって最近思った。
VR-TRPGも「VR-TRPGである事」だけでは独自性にならない時期がいずれ来る。(VR-TRPGを作る事が普通の人間に不可能だったら来ないけど)
単純に他と差別化するという点で独自性は大事で、それと同時にその独自性を分かりやすく主張する事も重要だ。こう言うとなんかのオンラインサロンですか?って感じだけど変な話をせずに自分がやっている事例だけ紹介する。
自分が書いているシナリオはテーマ性重視で作られている。特に「ハローバーチャル」はこれが際立つ作品で、1時間強で遊ぶ短時間シナリオにも関わらずテーマがしっかりしている。本来4.5時間かかるTRPGを1時間強にしてかつテーマ性を充実させる事ができたのは、シナリオ全体におけるテーマに関わる部分の割合が高かったからだ。これに伴い「この作品で何を伝えたかったのか」が分かりやすくなった。
独自性を主張するにあたって、何が独自性なのかがプレイヤーに伝わりやすくする努力は欠かせない。せっかく素晴らしいセンスがあるのにそれを理解されないのは勿体ない。
まあと言っても独自性(新奇性)がありすぎても人は入ってこないので難しい所ですよね頑張りましょう。(ありきたりな結論)
・再訪があったら良いね
遊ぶのが1回切りのゲームがダメという訳では無いが、何度も遊べるゲーム(正確には何度でも遊びに来れるゲーム)の方が訪問者数は増えやすい。そんなゲームあるのか?と我々は悩んできたわけだが、現状の解答を書いてみる。
「ハローバーチャル」はプレイヤー自身の選択と決断が自由回答方式で問われるものだった。その為、一度プレイヤーで遊んだ人がフレンドならどう答えるかを知りたいと思い観戦者として再訪するケースがあった。
つまり、マルチEDストーリーゲームに置いては「他の人がどうするか知りたい」が再訪の原動力に成りうる。他のEDが見たいも再訪の原動力に成りうるのだが、「他の人がどうするか知りたい」は実にVRSNSらしくて気に入っている。
更に制作中の「グッバイリアル」では、これに基づいて「他の人ならどう演技(反応)するか見たい」を再訪の原動力にできないか考えている。
「グッバイリアル」はTRPGではないのだが、4人のキャラの中から1人を選んで演じるマルチプレイシューティングゲームだ。これならマルチエンディングだけでなく、演技も再訪の原動力になる。他の人がどう演じるか見るだけではなく、脚本を知っている状態でもう一度遊んで自分の演技力を高める遊び方もできる。
上手く行けば最強だ。
・終わりに
文字数もそこそこなので雑記としてはこのあたりで終わっておこうと思う。Part2があがる日が来るかもしれないので気長に待っていて欲しい。