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失踪せずにVRでクトゥルフ神話TRPGが遊べるワールドを作る方法
こんにちは。VR-TRPGサークル「ぐだぐだぶとん」代表の逆凪です。
今回は「毒入りスープ」などで有名な泥紳士様のクトゥルフ神話TRPG(6版)シナリオ「身も凍るような体験」をVRで遊べるようにした話をしていこうと思います。(勿論シナリオ作者様に許可を頂いております。)
VR-TRPGとは
VR空間でTRPGを遊ぶ事で没入感高く遊べるのではという取り組みです。別にVR機器(HMD)を持っている必要は無く、スマホやPCでも3Dゲームをやる感覚で遊べます。
雰囲気を共有する事で初心者でも楽しみやすく遊べるのも良い所。詳細を知りたい方は前に書いた弊サークルの記事をどうぞ。
経緯
かれこれ2年ほどVR-TRPG制作に取り組んでおり、エモクロアTRPGを中心に作品を公開していました。
同人寄りのVRクトゥルフ神話TRPGは絶賛制作中ですが、私が運営しているclusterでVR-TRPGを作る為の情報共有コミュニティ「ぐだぐだ書房」で話していたらこの作品を紹介され、小説に近い古典的(?)クトゥルフ神話TRPGシナリオのVR-TRPGにしてみたいよねという事で「身も凍るような体験」用のワールドを作る事になりました。
なんやかんや2日ほどで完成させ、4/4のVR-TRPG新作発表会「ぐだぐだダイレクト」にて公開しました。(※私の制作速度は狂っているので、技術力にもよりますが自分でやる場合は10倍~50倍で見積もりましょう。)
没入型古典的クトゥルフ神話TRPG作るか…(失踪)
VRでTRPGするのを思いつくのはよくある話。そしてVRでCoCやりたいとTwitterでぼやくのもよくある話。求める物は大体主観のVR-TRPG(自分が主人公の視点で探索するやつ)…。んで「パッと見た感じ他に無さそうだから自分で作るか…」とか言って結局どっかに消えていく。
失踪しない為に、自分の作りたい物を作る為には、使えそうなアセット(素材)が揃っているかの確認が必要です。(全部自作しなきゃ!って言う人は100%失踪します。)
この記事では制作にチャレンジする前に確認しておきたい要素を紹介します。
①マップ
リアル寄りのテクスチャはフリーで配布されている物が多いので割と何とかなります。そして、簡単な部屋や洞窟はそこそこblenderが出来れば何とかなります。
ただ、街を作る場合はUnityAssetStoreにそれっぽいのが落ちていないとちゃんとしたクオリティを出すのは難しいですし自作はかなりコスパが悪いです。所詮背景と言いたくなりますが、疎かにするとプレイヤーの反応が微妙な感じで悲しくなる時があります。
なのでこういうのは作る前に確保しておきましょう、後に引けなくなってからでは遅いです(戒め)。
今回は凍りついたイイーキルスの街を用意する必要がありましたが、偶然良いアセットが見つかったので上手く行きました。凍らせるのはテクスチャを改変すればOK。
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また、地平線が隠れるようにしないと屋外は微妙になってしまいますが、これも吹雪の中にいるという設定のおかげでコスパ良く作れました(UnityのFogという機能を使っています)。今作はかなりVR化に向いていたシナリオだったと言えるでしょう。
②神話生物の3Dモデル
UnityAssetStoreにそれらしき物が見つかる事はありますが、CoCならキツネツキ様のboothを確認するのが良いでしょう。クオリティの高い神話生物のモデルがいくつかあります。神。
逆にここに無いモデルは自分で作る必要が出てきますが、十中八九満足のいくクオリティにはならないでしょう。ここで逆張りするオタクは絶対失踪します。
今回はシナリオに登場するルリム・シャイコースがキツネツキ様のboothにあったので制作をスタートしました。
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アニメーションは手打ちです。人型の神話生物だったらVeryAnimation使うと少し楽に作れるかもです。
③サウンド
マップ・神話生物を乗り越えた先に待っていた地獄がサウンドです。地鳴りや崖崩れの環境音・アクションに対応した音も必要ですが、一番面倒だったのは神話生物の鳴き声です。
フリー素材として配布されがちなのはドラゴン・人型モンスター・(唸り声しか配布されてない)獣系モンスターですが、神話生物の声はこれに該当しない物が多いです。
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今回は幸い巨大な虫系モンスターの優秀なサウンドが有料であったのでそれを購入して使用しました。(それでも探すのにはめっちゃ苦労しました…)
音のセンスはザコなので偉い事は言えないのですが、モンスターの音声素材は1~3秒で終わる物が多く、単体で使うと物足りない感じになります。なので今回は何種類かのボイスを組み合わせて使いました。
使うと決めたアセットを最低限揃えるよりも、使いそうなアセットをできるだけ多く確保した方が良いかもしれません。
最後に
これら3つがアセットで確保できそうであれば、制作を進めても良いかもしれません。(それでも大変だとは思いますが頑張って!いつか僕がプレイヤーで遊べる日を楽しみにしています!!)
以上、お相手は逆凪でした!ぐだぐだダイレクトもお疲れさまでした!!