【ADVゲームレビュー】未解決事件は終わらせないといけないから / Nintendo Switch(2024)
未解決事件は終わらせないといけないから
韓国の個人ゲーム開発者Somiによる推理アドベンチャーゲーム。
内容紹介
解説/感想(ネタバレなし)
Steamで販売され、口コミで評価が広まった結果、8か月もNintendo Switch版でもリリースされた推理ゲーム。
主人公は、元警部の清崎蒼だが、彼女を操作するというよりは、彼女が記憶の断片として思い出した証言が、いつ、誰が発したものだったのかを入れ替えていく推理パズルのようなゲームシステムとなっている。
説明不足が状態でスタートするので、プレイしながら徐々に慣れていく形なのだが、どれが真実の証言で、どれが嘘の証言か。
そもそも、その証言をしたのは誰か、どうして嘘をつく必要があるのか。
思い出した証言が増えるごとに複雑化していく事件の様相が、1本につながったときの気持ちよさは爽快。
3時間前後でプレイできる、コンパクトで濃厚なゲーム体験。
印象に残るゲームであるのは間違いない。
なお、Somi氏の以前のゲームに「罪悪感三部作」と呼ばれる作品群があるのだが、うち「Legal Dungeon」の主人公も清崎蒼とのこと。
職階は警部補だが、後に昇進して「犀華ちゃん行方不明事件」に対峙することになるのか、と想像していくと、物語に奥行きが出てくるのでは。
総評(ネタバレ注意)
ゲーム時間から12年前にあたる2012年2月5日に公園で遊んでいた少女、犀華が突如姿を消した。
犀華の父親がそれを望んだという不可解な謎を残して、手掛かりが得られず捜査は打ち切られる。
清崎が最初から持っている証言の記憶には、犀華は死んだと語る謎の男の供述も含まれており、面白いもつまらないもない、意味が分からない状態からスタートしていくのがポイントだ。
序盤はひたすら証言を積み上げていくのみで、難易度はそこまで高くない。
勝負となるのは、途中、南京錠がつけられた証言が出てきてからだろう。
解錠するには、推理によって当てはまる証言を正しく選択する必要あるのだが、少し癖があるから厄介。
おそらくローカライズの問題で、感覚的にこの証言、と選ぶことができず、総当たりにならざるを得なかった。
逆に言えば、総当たりが通用するボリューム感でもあり、クリアできないという可能性は極めて低いので、ご安心を。
そして、その壁を超えたところに面白さが待っている。
どちらかの証言を正しいと仮定すると、もう一方の証言が矛盾する、という状況がいくつも発生。
これを待っていたとワクワクするのだが、それらを綺麗に並べることができたときに、状況がひっくり返る真相が判明する。
あまり言うとゲーム体験そのものが面白くなくなってしまうので、是非とも真相はネタバレする前に、実際にプレイしてから驚いてほしいものである。