【楽曲解説】恋文/枯花-カレバナ。-(『「NO VISUAL,NO LIFE~CARPE DIEM~」特典音源』収録)
11/18に発売となった「NO VISUAL, NO LIFE」シリーズの第三弾、「NO VISUAL,NO LIFE~CARPE DIEM~」。
咲花-サカナ。-は、購入特典として2曲入りのシングルを準備させていただきました。
過去の2作品でも、2曲入りのシングルを特典としてきましたので、オムニバス関連だけでも全9曲。
加えて、デジタルシングル3曲を配信しているので、咲花-サカナ。-として発表した楽曲は、全部で12曲とアルバムサイズ。
改めて振り返ると随分作ったものだなと驚いています。
今回、特典CD制作にあたり、力を入れたのはアートワークの部分。
いつもお世話になっている[world end.]のあるるかん様にデザインや制作の協力を仰ぎ、特殊恋文仕様の8cmシングルが出来上がりました。
ほぼお任せスタイルだったので僕が語ることはほとんどないのですが、楽曲のコンセプトとアートワークに関連性を持たせるという"ヴィジュアル系だったらそこまでやらんと!"という部分に踏み込めた気がして、個人的には満足しています。
サブスクで聴けるわけでもないですし、CDは聴いてもらってなんぼだとも思うので、90年代っぽくしたいという様式美だけで出される8cmシングルは反対派だったりするのですが、本作が8cmになった意味を、手に取った方は感じ取ってくれたはず。
CDを外したときに出てくる文字は、2曲ともに共通するメッセージ。
歌詞が被ったから、どちらからもカットしてしまったのだけれど、こういう形で主張させていただきました。
恋文
「影になった夜」、「屋上思春期」に続く、「まつりのよる」三部作の再録シリーズ最終章。
ひとりの主人公を軸にしたコンセプト作品は相応に目にしますが、ひとつのお祭りを軸に別々の主人公のエピソードを切り取るタイプのコンセプト作品ってあまり見かけないよね、と2016年のエイプリルフールにデモ音源を配信して以降燻っていた作品群が、ようやく完結できました。
(「黒猫と花火」にも花火大会らしき描写が出てきますが、あちらはそもそもの舞台設定が異なるのです。)
再録するにあたりキーをひとつ上げていて、だいぶ歌いやすくなったなと。
ミドルキーだと歌声が暗くなりすぎてしまうのが個人的には課題なのですが、暗い曲を歌う分にはハマるのではないかと、アレンジを可憐くんに再構築していただきました。
可憐くんの引き出しに昭和歌謡系はあるのかと心配ではあったものの、先入観があれば入ってこないであろうシンセが加わっているなど、得意分野ではないからこその新解釈が良い方向に転がってくれたのでは。
歌詞については、仙台のスポットやイベントとの関連付けを意識的にやってみました。
書き損じのラブレターをイメージした歌詞なので、抽象的な表現は使わないだろうな、固有名詞を使わないほうがむしろ違和感あるよな、と。
知っているから解像度が上がるというわけでもないですが、土地勘がある人はちょっとワクワクするかも。
枯花-カレバナ。-
咲花-サカナ。-による、枯花-カレバナ。-です。
バンドやアイドルには、たまにセルフタイトル曲というものがあったりするので、それに準じる楽曲を作っていたのですが、更に対になる曲があったら面白いのではないか、と制作したのがこちら。
順番的には、こちらを先に出すことになりましたが、単純にレトロな曲調の範囲内で、疾走系の楽曲がこれしか残っていなかったから、というと身も蓋もないでしょうか。
本編も含めて、3曲中1曲はスピーディーな楽曲がほしいじゃないですか。
それがヴィジュアル系じゃないですか。
初見にも受けそうという意味で、なんなら本編向きかなと思ったぐらいですが、バランスを考慮してここに入れています。
そんなわけで、アレンジについては本当に可憐くんが良い仕事をしてくれています。
「シュウマツドケイ」を含め、3曲とも昭和歌謡系、哀愁系に属する楽曲だと思うものの、タイプは上手いこと分散できたのではないかと。
楽曲面のこだわりとして、今回、いずれも3番を作らなかったのですよ。
最後のサビを引っ張ったり、大サビを持ってくるぐらいはしていますが、2番の後に間奏を入れてラスサビ、という構成にはあえてしませんでした。
レトロに寄せる時点で、ドラマティックな展開があるわけではなく、心情的な歌詞になることが想定されたので、曲だけドラマ性があるのは違うなと思いまして、コンパクトに引き締めたものになっています。
今後も絶対そうする、とやってしまうと音楽がつまらなくなってしまうので今回限りの縛りではありますが、これまでを振り返っても自然体で2番までの曲が多いので、個人的な好みである可能性は否定しません。
タイトルは、枯れた花と、彼の話のダブルミーニング。
歌詞の解釈についても、2通り(もっと踏み込むと3通り)の読み方が出来るように作っています。
もっとも、今与えられている情報だと、親友と同じ人を好きになってしまい、彼女から聞く彼の話が辛いな(いっそ死んでしまいたいな)、という解釈がスタンダードでしょう。
今回の3曲は、どれも"叶わなかった恋"の歌になっていますし、このタイミングではそれが正解です。
もうひとつの解釈については、言ってしまうと面白くないので探してみてください。
そのうち、種明かしはしますので。
最後は匂わせになりましたが、年末ごろには次の動きを発表できるでしょうか。
未発表曲のストックが溜まってきましたので、そろそろ吐き出さないとね、といったところです。
頑張りますので、とりあえず、今はオムニバスを聴いてください。
こんなにコスパが良いアルバム、他にないです。
「NO VISUAL, NO LIFE ~CARPE DIEM~」
発売日:2023.11.18(土)
¥2,000-
《販売サイト》
https://ozworks.theshop.jp/items/79559861
OZ WORKSでの購入で、咲花-サカナ。-による2曲入りの特典音源が付属します。(数量限定)
《収録内容》
[DISC 1]
1. Hypocritical Story/CHRONOLYZE LAB
2. CHAOS/TRANCE
3. METAMORPHOSIS/UDFmisa
4. 「古~いにしえ~」/リヴァイ部
5. 臨死遺言/詩泉
6. トワイライト/Yuzu
7. 幼虫/Under Cat’s
8. 籠の中の遊女/魔王
9. 鎮恋歌~レコイエム~(New Version)/俺はゴミじゃない
10. Silent Night 2023/MSGEX
11. Заброшенная Больница/Призрак
12. Sin/Area jacta est
13. Absurd Sky/panta rhei
14. テクトゥ衛パク/ラリレロ
[DISC 2]
1. なりきり☆ハッピー/下手達
2. ECEG./Bang-Doll(Eramthgin Retfa Llod-Gnab)
3. 祝祭/蟲籠
4. Sylmelia/Artless
5. シュウマツドケイ/咲花-サカナ。-
6. 遺書の家/ハクムク
7. 綴/MSDV
8. eMEraLD dUst/夏姫
9. 嗚呼、愛しき馬鹿野郎!/洒落
10. Brand New Heart/ANOTHER CHRONICLE
11. マリンスノーの心臓/ガートルード
12. 蜂鳥冱つ/Herpet
13. オペラグラス/岡崎
14. 新世界/誠影
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