眼がぱっちりあいて
眠れないから
浴衣ひっかけて
下駄つっかけて
散歩に出た
夜の家並は
白く光って気味が悪い
藍色に菊を配した
白い女の浴衣を着て
カッコンカッコン歩いている
俺も幽霊と見られて
仕方がないかも知れないが
この白い夜の家並はどうだ
足つける地がないみたいだ
ホントに人が住んでいるのか
道が狭くなって
石塀にぶつかって
そらぞらしくかえってくる
カッコンカッコンいう音が
見知らぬ生き物の迫るようで
土が恋しい
くらやみをくれ
俺の生きている音を
どこまでも遠くへ
すいとってくれよ
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