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【ゲーム感想】春ゆきてレトロチカ

この記事の文字数は約3,100字です!

おはこんにちばんは! 富井サカナです。
有名タイトルを今更で恐縮ですが、Steamで遊んだゲームの感想記事です。
こちら、フルプライス路線でも決してなくなってほしくない『実写枠』かつ『ミステリ枠』な絶対に保護したい希少種的なゲームです!


1.どんなゲーム?

今回紹介したいのは、スクウェア・エニックスの「春ゆきてレトロチカ」です!!

👆上記のメーカーサイトからゲーム画面が参照できます。

【制作】スクウェア・エニックス
【プレイ時間】20時間程度
【ジャンル】"新本格"ミステリアドベンチャーゲーム
【KW】実写、ミステリ、推理、パズル、本格
【筆者プレイ時期】2023年7月にプレイ(Steam版)
【筆者プレイ状況】ストーリークリア。(実績全解除はできず)

【あらすじ】
100年にわたって不可解な死が続く四十間(しじま)一族。 この一族の元を訪れたミステリ作家の河々見(かがみ)はるかは、「不老の果実」を巡り時を越えて起きた4つの殺人事件に挑むことになる。

死を呼ぶ「赤い椿」と「不老の果実」。そして、その先に眠る真実とは――

【一言でいえばどんなゲーム?】
実写映像と本格推理ミステリが融合した良作ゲーム


2.作品紹介

まずは簡単な紹介の前に、以下のPVを見るのが早いです!

あらすじや雰囲気ももちろんですが、
ゲームシステムの紹介が割ときちんとしてあるのが有難いです。
発売時点からマルチプラットフォーム販売だったようですが、
例によって私はSteam版でプレイしました。
本作は特にマウスの方がプレイしやすい、などはなさそうです。
というか多分コントローラーの方がプレイしやすいです。
他では未プレイなので分かりませんがお好みで良いような気はします。

実写ゲーと言えば『街』『428』『アナザーマインド』といった超傑作レベルの作品群がありますが、本作はその次ランクくらいに位置するクオリティだったように思いました。少なくとも期待してイマイチだった『デスカムトゥルー』よりはずっと良かったです。
名作『パラノマサイト』と言い、スクエニのような大手がADV系作品にも力を入れてくれるのはジャンルのファンとして単純に嬉しいです。


3.良かったところ(ほぼネタバレなし)

・このジャンルの大作新規タイトル
何はともあれこのジャンルでフルプラゲーの企画が通り、ちゃんと完成して世に出たというその事実が嬉しいところです。実写ゲーの系譜もミステリゲーの系譜も途絶えてほしくない!(完全に自分の趣味)

・意外性のあるラスト
本作をプレイする可能性がある方は絶対に全力でネタバレを回避しつつ、早いうちにプレイすることをオススメします。ゲームシステム?表現方法?も踏まえた上で『なるほどね!』的な結末が楽しめるはずです。ちなみに自分は途中のとあるシーンで大きな違和感を持ったことで、メタ読みと合わせて結末はほぼ推理できました!えっへん!

・美麗な画面デザイン
本作は実写(動画)とゲーム画面のUIデザインの融合・調和が素晴らしかったと感じました。とてもハイセンスで見た目が綺麗なのでなんだかそれだけで上質なゲームを遊んでいる気分になれます。推理パートの画面を見た時のプレイ前のワクワク感ったらなかったです。

・桜庭ななみが可愛くて眼福
本作のヒロイン兼主人公の桜庭ななみさんがとても可愛いらしいです。自分の中での実写ゲーの基準と言えばカルト的な人気を誇る?『卒業R』だったり、昔ゲーセンで見掛けた脱衣麻雀だったりと演者さんも画質もうーん、という感じでした。『ユーラシア・エクスプレス殺人事件』は当時の一線級のアイドルが勢ぞろいしてましたが画質が残念でした。本作は女優さんも美人で服装も多岐に亘り画質も良くて言うことなしでした。


4.改善できそうなところ

プレイ中に自分がうーんと思ったところを以下に記載します。トータルで見ると十分に面白いゲームだとは思うのですが、内容と価格を鑑みると「とても~かなり満足した!」という自分のような層は結構珍しいかも。

・推理ゲームとしての完成度は微妙
本作、ラストを含めてストーリー的な面白さは十分にあるのですが、推理ゲームとして面白いかと問われると「はい」とは答えられないものでした。理由は今作のゲームシステム、もっと言うと推理パートの仕組みにあると感じました。推理パートでは事件におけるそれぞれの『謎』と『手がかり』を組み合わせて『仮説』を導き出すのですが、ストーリーを進めるためにはあらゆる仮説を検証する(≒全ての仮説を発生させる)必要があります。しかしこの『仮説』のかなりの割合が「そんなワケないだろ」というトンデモ仮説であるため、「捨て推理」をする必要が出てきます。また、仮説が提示される組み合わせとそうでない組み合わせの納得感もあまりないので、結果的に制作者側が用意した仮説を出現させるためにほぼ総当たりのようなことをする羽目になります。『謎』に『手がかり』をぶつけるとどんどん『仮説』が提示されて話が進むのはそれなりに面白いのですがこのパートは作業ゲー感が強かったのが正直なところです。
とはいえ、自分自身が常に推理ゲームを作りたい民として少しフォローすると、この推理部分をシナリオと絡めて上手くゲームに落とし込むのってメチャクチャ難しいんですよね。シナリオを考える人とゲームシステムを考える人が同じか、かなり意思疎通しないとうまくはいかないんだと思います。

・コストパフォーマンス
こちらは製作コスト的に全く「改善できそう」じゃない気もしますが、推理パートで少し水増しされたプレイ時間20時間くらいのゲームにしてはちょっと定価の7,480円は高すぎます。ゲーム好き、特にこのジャンルが大好物なので自分は喜んで買って遊んで楽しめましたが、他の娯楽と比べてこれを選ぶのって本当に思い入れの成せる業だよなぁ、という気すらします。


5.プレイを迷っている人へ

自分としてはジャンルへの思い入れがあり、かなり楽しめたので是非多くの方に遊んでほしいのですが、費用対効果という観点では正直微妙なラインだとは思います。パラノマサイトのように無条件でオススメできないかなぁ、という感じです。迷ったらそれなりに評判などを調べてみたうえで遊ぶかどうかを判断してみてはいかがでしょう。

👆開発者インタビュー。背景・裏話系が大好きなのでムネアツ記事


【各サイトの紹介・感想記事】
プレイの参考にしてほしいのでネタバレなしのみをまとめましたが、基本的には「良い点も悪い点もどちらもある(が、良い点が悪い点を凌駕している)」というような論調が目立ちました。フェアに判断して、全方位的にすぐれた作品、という評価はありえないかな、と個人的には思います。


6.おわりに

というわけで「春ゆきてレトロチカ」の感想はこれでおしまいです。

本作、廃れてほしくない実写×ミステリゲーということで大きな期待を寄せた作品でしたが、個人的にはトータルで面白かった。買って遊んで良かった、というラインは無事に超えた作品でした。ジャンルや内容に興味がある方は納得できそうな価格の時に手を出してみてはいかがでしょうか。

というわけで今回はそんなところで失礼いたします。Steamで遊べるADVやミステリゲーの情報があれば教えてもらえると嬉しいです!

以上、富井サカナでした。


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