未だうまく言葉にできませんが…
先週、エリア・スレイマン監督の映画『天国にちがいない』を観ました。なかなかうまく自分のなかで消化できなくて、まだ心にいろんなものが刺さったままですが書いてみようと思いました。
コメディではあるけども、ほとんどセリフのない主人公(監督自身が演じています)の眼差しが心に残っています。言葉ではなく、態度やジェスチャーや状況でとても訴えかけてくるんです。
その言葉にならないものの力を感じました。
この主人公ESさんは、少し世界と距離のあるような傍観者・観察者のように見えました。
でも、現実世界を生きているので、世界と重なり合ったりずれたりしながら話が進んでいきます。
で、なんの映画? あらすじは? って感じですね。
あらすじは……なんというか、あるようでないようであるんですけど(どっちやねん!)、私にはうまく書けません。すいません。
(で、強引に次にいってしますのですが……)
映画後半、この監督はパレスチナの方なのですが、「闘っている」と感じました。
世界を、自分自身を、冷静に見つめながら、コメディタッチに描きながら、芯をもって静かに闘っているように感じました。
なぜか、泣いてしまいました(笑)
なぜ泣いたのかなぁ。
理由はひとつではないと思いますが、この闘っている姿をみて、自分が孤立したときのことを思い出していたからかもしれません。
孤立したとき、私は「ささやかな抵抗」という言葉を胸に持っていました。悩んでいたときにふっと思いついた言葉です。
私はその共感で出来上がったグループに溶け込むことができませんでした。その囲い込みが嫌でした。というか私が変なだけなんで、はみ出して当然なんですけど(笑)
「ささやかな抵抗」といっても何かするわけではなく、常にフラットに穏やかにいるというだけなんですけどね(笑)そのとき私にできる精一杯ことでした。
そんな自分の過去のこととか、私がわずかに知っているパレスチナのこととかを考えて涙したのかもしれないです。
この映画を観た後、私もハックされて世界の見え方が変わりました。少しふわふわしています。数日で薄れてしまったのですが、忘れたくない感覚です。
って、こんなぼやけた感想ですいません。すごくいい映画でした!とだけは書いておきたいです。
この映画から受け取った何かが言葉にならないのですが、この映画がそれでも「天国」だと、「天国にちがいない」と、おっしゃっるこの世界のこと、考えていきたいです。