04 さっぱり?こってり?
A「最後の晩餐って知ってます?」
B「知ってるよ。キリストが12人の使徒の中の裏切り者を探している様子を描いてるんだよね。」
A「お〜よく知ってるねえ。」
B「そりゃあねえ。」
A「じゃあ、明日世界が終わるとしたら何食べる?」
B「なんだよ急に。え〜なんやろ、Aは?」
A「さっぱりしたもん。」
B「ボケカスブスチビハゲ!」
A「なんや気ぃ悪いな!」
B「こってりしたもん食え!」
A「いや、さっぱりしたもん食ってもいいだろ」
B「こってりしたもんから探せ!」
A「何でだよ!」
B「最後だからや!」
A「答えになってないだろ!」
B「最後なんだからこってりしたもん食うやろ!」
A「好みやろ!」
B「明日死ぬんやぞ!」
A「だからなんだよ!」
B「いいからみんなでつけ麺食って死ぬんだよ!」
A「何でだよ!さっぱりしたもん食わせろ。」
B「他所行ってください。うちは魚介豚骨醤油一本でやらしてもらってます!」
A「淡麗系のつけ麺もやってますか?って聞いてないんだよ!」
B「はは〜ん。さてはお前、心のどこかでまだ明日が来ると思ってるな?」
A「思ってねえよ!」
B「じゃあ明日の事なんて気にせずにこってりしたもの食え!」
A「さっぱりしたもん食うわ!」
B「自分だけ助かろうとするな!」
A「してないわ!」
B「いいや、してる!
本当の裏切り者はお前なのかもしれない!」
A「何を言ってんのずっと。」
B「お前さっぱりだけどしつこいな。」
A「うまいこと言わなくていいから。」
B「まるで本当は明日が来ることを知っているような態度だな。」
A「どういうことや。」
B「(独り言)
待て、こいつだけが知っているんじゃないのか?
明日が来ることを。
じゃなきゃさっぱりしたもんは食わない。
ずっと一緒にやってきた相方や。俺、お前を信じるよ。
店員さん、つけ麺一個無しで!
カランコロンカラン。」
A「どうした急に。」
B「つけ麺はまた今度にするわ。」
A「おん??」
B「なあ、俺もさっぱりしたもん食ってもいいかな。」
A「いや、いいけど。」
B「俺気づいてしもうてん。」
A「?」
B「俺の目を見て答えてくれ。
明日くるやろ。」
A「来ないよ。」
B「もうええって!だるいて!笑
マジでびっくりしてんから俺!」
A「何を言ってんの?」
B「お前とさっぱりしたもん食う。
俺とお前でこの世界を終わらせない。」
A「相方が違う世界線から帰ってこなくなりました。」
B「おい、そば食いにいくぞ。」
A「また来ます!ありがとうございました!」
〜終〜
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