大谷翔平は、なぜ奇跡を成し遂げられるのか?・成願義夫 記
今年の大谷翔平さんの活躍は世界中を驚かせ、多くの人に希望や喜びを与えているのはご存知の通りだ。
では、大谷翔平さんは、なぜこのようなことを成し遂げられるのか?
人並み外れて優れた体力と運動能力、野球センスは当然なのだが、それだけなら大リーガーには大谷選手以上の選手は沢山いる。
なぜ、大谷選手が特別なのか?
この秘密を多くの人が知りたがっているのも当然のことだろう。
さて、「現実は人間の頭の中にのみ存在する」というセリフ
これは、映画『マトリックス』の中で、印象的だったセリフだ。
これを言い表した『般若心経』の一節が「色即是空、空即是色」だ。
これは近年の量子力学の理論にも合い通じるところがある。
現在、世界中の学者の共通認識として、量子力学の正統的な解釈法は、ボーアが提唱したコペンハーゲン解釈であるとされており、
「観測結果のみが実在であり、その背後に実在など存在しない」というのが今や定説となっている。
物体や物質や現象は人間が観測し認識して初めて存在するということだ。
近年、ハイテク業界の有力者の多くが仮想現実説を口にしており、かのイーロン・マスク氏も仮想現実説を信じていると断言している。
マスク氏は今年前半、この世界が仮想空間でない確率は「数十億分の一」と確信していると語った。
私達の人生は、自分の思った通りにしかならない。
重要なのは「自分の人生は、自分が思った通りにしかならない」ということを知り、信じているかどうかだ。
では、何も思わない人はどうなる?・・・それは言わずもがなというもの。
ここで言う『思う』とは「エフィカシーを高めることだ」
つまり、コンフォートゾーンの外に臨場感のある近未来をイメージし、それを可能にする自己実現能力に自信を持つことだ。
大谷翔平さんは、まさに高いエフィカシーを持ち、自己実現能力を発揮している。
その為に自分自身を信じる為の根拠を、日々、自ら積み上げている。
それは他人から見たらスポーツ選手なら誰もがする単なる努力に見えるが、彼の場合は、自分を信じる為の根拠作りだ。
だから努力の質が違う。
例えば、右投げ左打ちも彼の根拠の一つだ。二刀流に欠かせない条件だ。
更に日々の練習や鍛錬以外に多くの根拠を積み重ねている。
例えば、彼は子供の頃からゴミを拾う。
そして他人に親切にするなどの徳を積む行為をおろそかにしない。
これは「運を味方にする」ということの重要性を信じているからだ。
「運を味方にする」とは?言葉を変えると「神様に応援してもらう」ことなのだ。
彼がそれを信じているならばこんな力強い根拠はない。
さらに彼は、「できない言い訳」を自ら排除している。
一般的な選手は、富と名声を手に入れると、スポーツ選手にありがちな派手な暮らしを始める。そして女性関係や有名人との交友関係や高価な物を買うなどの誰もが羨む生活にハマり、成功したかのような錯覚に陥る。
しかし大谷翔平はそれらの一切を排除し、頭に描いた未来の姿を現実化する為に邁進している。
だから、彼の口からは言い訳は出てこない。
「昨日、ちょっと飲みすぎちゃってさぁ」などの言い訳は彼にはあり得ないのだ。
ドジャースに移籍が決定して驚いたことがある。
彼の契約内容を見ると、目先のお金や自分の事以外のコンフォートゾーンの遥か外、つまり「Growth Zone」に目標を設定していることだ。
既に彼は、誰もできなかったことを成し遂げ、大金持ちになることを約束されたにも関わらず、現在の状況をゴールに行く道の途中とみなしていることに驚愕する。
歴史を塗り替えた偉人たちの共通条件は、
「自分を信じ続けることができること」
実はこれが最も難しい。
だから、大谷翔平さんは、自分を信じる根拠をこれでもかというほど積み上げる。現在もなおだ。
この根拠の積み上げを日夜怠らないことが天才の条件だ。
多くの人は、自分を信じたいと思っていても、他人の言動、自分の体調、その他の外的要因で簡単に信念は揺らぎ、人間は不安になるものだ。
だから、常に自分を信じるための根拠を積み上げる必要がある。
プロ野球入団直前、直後。野球界の一時代を築いた、かつてのスーパースターの先輩達や有名監督や野球評論家達から「二刀流は不可能だ」と、どれだけ言われたことかは、皆様もご周知の通りだ。
前例がないことをするのだから、彼のすることは常識の外にあるのだ。
だから、常識の中で生きてきた人達には大谷翔平さんの夢は無謀であり、現実化するなど想像すらできない。
しかし、彼の頭の中の臨場感のある世界(信念)を誰も覆すことはできなかった。
現在、権威ある人々を納得させてしまった揺るぎない信念に基づく行動力には驚く他ない。
私たちは、自分の人生という映画では、自分が脚本家で、監督で、プロデューサーで、主役なのだ。さらに登場人物の配役さえも決めることができる。
しかし、自分の未来を具体的にイメージできず他人の影響で流されて生きていると、本人が気がつかないうちに、他人(親や師、上司や結婚相手)が描いた物語の映画に脇役や通行人として無理やり出演させられているのだ。
さらに、最も厄介なのが常識の内で生きている人々(親、友人、先生等々)に、「そんな夢は叶うはずがない」と言われ、あなたの夢を不可能だと決めつけ、常識の世界に引き戻そうとする人々がいることだ。良かれと思って言っているだけにタチが悪い。
それをドリームキラーと言う。
もし、大谷翔平さんがドリームキラーの言に惑わされて不本意にもピッチャーかバッターのどちらかに専念していたら、明らかに自己矛盾を抱えていただろう。
自己矛盾を抱えた人々の口癖は「人生は思い通りにならない」だ。
当然パフォーマンスが下がる。
そして、それは心を病む原因となることもある。
理想の人間関係は「誰もがその人の人生のドラマの主役である」と認め合うことから始まる。
自問自答してみよう。
「私は自分自身の映画の脚本を自分で描がけているのか?そしてその物語の主人公として生きているのか?」
コンセプター
和文化デザイン思考講師
成願 義夫
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