世界中で愛される市松文様の今昔
英語では『Checkerboard pattern』と言われる。
古典的な模様だが、世界中で現代もなお多用されている模様だ。
市松模様は、古墳時代の埴輪の服装、法隆寺や正倉院の染織品にも見られ、古代より織模様として存在していた。
公家の有職故実では「石畳」「霰(あられ)」などと称されていた。
日本では、1741年に歌舞伎役者佐野川市松が舞台衣装の袴(はかま)の模様に用いて以来,市松と呼ばれるようになった。
佐野川市松はその後もこの模様を愛用して、浮世絵師の奥村政信、鳥居清重、石川豊信らがその姿を描いたことから着物の柄として流行した。
市松の愛用した模様は当初は古くからの慣わしに従って石畳と称されたが、後に「市松模様」「市松格子」「元禄模様」などと呼ばれるようになった。
市松模様は古典的な文様だが、モダンなデザインとしても多用されてきた。
例えば、日本を代表するモダン建築の桂離宮にも使われ、ドイツ人建築家のブルーノ・タウトを感動させている。
伝統文様の中の「市松文様」の意味は、上下左右に無限に連結できるところから「未来永劫」を意味する吉祥文様だ。
また市松は行儀文様の一種で「角行儀」ともいわれている。
成願義夫 着物図案教室
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