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着物は認知バイアスによって「売り手」と「買い手」の見える世界が違う。


呉服販売に携わる者がこの2枚の写真を見たら、それぞれの帯は金糸と銀糸を使った華やかなものに見える。


また、呉服店などでは、振袖にこのような金糸や銀糸を織り込んだ帯を合わせようとするのが一般的だ。
しかし、一般の女の子はこの写真を見ると、「なんで茶色の帯を合わせるの?」「なでグレーの帯を合わせるの?」と思うのだ。

日頃多くの商品を見ているプロが見ると、この写真の帯が金色や銀色に目に映るのは、既成概念という思い込みの認知バイアスがかかっているからだ。

織物の帯は、細かな凹凸があるので、光を反射しながらも吸収する部分が同じだけある。金や銀と言えども同じだ。
凹凸の無い平面に金箔を貼ると確かに金は黄金色に輝くが、金糸や銀糸を織り込んだ帯は細かな影ができるので、写真に撮ると、茶色とグレーに写る。今、晴れ着を着るの目的のひとつが、記念写真を撮ることだ。 
目的の優先順位としても上位にくる。
業者は、金は写真に撮ると茶系に見えることに、気づくべきだ。
明るい金は黄色やクリーム、暗い金は茶色。
当然、銀はグレーだ。
常にインスタ映えを意識している女子は感覚的にそれを知っている。

「写真映え」は、現代のビジネスにおいては外せない要素の一つだ。

インスタ映えを狙ったスイーツ

勿論着物の色によっては、金(茶系)や銀(グレー系)が映える場合も多々ある。しかし、金糸や銀糸を使った帯を合わせれば何でもかんでも派手になるという思い込みは時代遅れだということを知るべきだ。

金と銀の特別感を一旦排除し、色として捉える必要があるということだ。
色の見え方は相対的なものだということを改めて認識していただきたい。


伝統デザインの描き方講師
呉服繁盛店の作り方アドバイザー
感動価値の作り方講師
https://www.jogan-kimono-design-school.com/

成願義夫

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成願 義夫(ジョウガン ヨシオ)
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