皆さんは幇間(ほうかん)をご存知でしょうか?
『幇間(ほうかん)』
あと何年かしたら、消える職業の一つでしょうね。
「幇間」は別名「太鼓持ち」とか「男芸者」とも言われ、宴席やお座敷などの酒席において主や客の機嫌をとり、自ら芸を見せ、さらに芸者・舞妓を助けて場を盛り上げる職業といわれています。
現存する「幇間」は三人とも五人ともいわれていますが、本当の意味での幇間はもういないと言っても良いかもしれません。
また、幇間が出てくる古典落語も多く「たいこ腹」・「富久」・「愛宕山」・「王子の幇間」・「茶目八」、「羽織の幇間」・「裏の裏」等々、落語には欠かせない存在でした。
幇間も芸人ですから、「喋り」「踊り」「歌」「鳴物」などの芸ができるのが必須でした。
お座敷芸というやつですね。
残念ながら、私は幇間のいるお座敷で遊んだことはございませんが、まだ残っている間に一度楽しんでみたいですね。
本来のお座敷という密室での幇間の役割は、自分の芸を見せるだけではなく、言うなれば客も舞台に上げて、非日常を楽しませるところにあったのだと思います。
現在では、まず幇間と遊べる粋な客がいなくなりましたからね。
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余談ですが、ジャズピアニストの山下洋輔さんと芸能界デビュー前のタモリが出会った頃の関係はまさに幇間とお大臣の関係でしたね。
山下さんがバーなどの酒席にタモリさんを連れて行き、いろんな芸の難題をタモリさんにぶつけてタモリさんが即興でそれをこなし、その場を盛り上げ、山下さんの友人達を楽しませ、遊ばせて、タモリさんは山下さんからお金やチャンスをもらっていました。
そこに赤塚不二夫さんも呼ばれ、タモリさんの才能に驚き、とても気に入り、ついにはタモリさんを福岡から東京に移住させ、自分専属の幇間にしましたからね。
その後、赤塚不二夫さんの後ろ盾でテレビ(芸能界)への道が開き、現在に至っています。
タモリさんのテレビでは絶対見られない、密室芸は本当に素晴らしかったそうです。
赤塚不二夫さんの告別式でのタモリさんが読み上げた弔辞には「私もあなたの作品のひとつです」という一文がありましたね。
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