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オトズレの活動を再開します。

(サムネイル画像:『再生』より コトデラシオンさん撮影)

昨年10月より無期限で活動を休止していた所属団体のオトズレが、活動を再開する運びとなりました。

ーーーこのことについて私の言葉でご報告をしようと筆をとったは良いものの、ふさわしい言葉を見つけられずに筆先を泳がせています。
活動休止の際にはあれほどスムーズに書けたのに。ネガティブな決断を下すときに、その言い訳が流れるように浮かぶのが私自身の人間らしさだと解釈しています。

あえて活動休止をネガティブな決断と書きましたが、昨年の私の精神状態は本当に荒んでいました。あらゆる角度から自らの個性や才能を否定し、見切りをつける自傷行為に依存していました。創作という行為を冷笑するような、あの忌むべき視線を自らの中に持っていたことで日に日に意欲を失ってしまっていたのです。

昨年末から大きく人生が動き始めました。ご存知の方も多いかと思いますがKOTOBA Slam Japanというポエトリーリーディングの全国選手権で優勝し、日本代表として2つの世界大会に出場することになりました。
新卒から4年勤めた会社を退職することになり、そのことについて元同僚に相談した際
「無えと思ってた才能があったんだよなぁ…」
という言葉が自分の口から溢れたときに、私自身そのことに驚いたのを覚えています。

そういうふうに、人生が動き出したのです。

今だって自分に才能があるかと問われれば、そんなことはないと思っています。でも、その前提で動き出すことに対する抵抗感が薄らいでいったことは紛れもない事実です。

あえて強い言葉を使うのですが、私は
「矜持も信念もない創作に何が出来る」
と思っています。活動休止を決めた昨年秋頃はそのどちらも失いかけていました。あのまま全速力で続けることをしていたら今頃完全に失っていたでしょう。そして時間をかけてようやく取り戻せました。不安も悩みも尽きませんが、迷いはありません。
劇団員の春江澪は嫌な顔ひとつせずに待ってくれました。春江さんのおかげでここまで戻ってこれました。
本当にありがとう。待たせたな。

オトズレという劇団をもう一度始めます。

そして、もう一つご報告です。
俳優の須貝文音がオトズレの劇団員になりました。

須貝さんとは春江さんと外部の団体で共演していた繋がりで知り合い、その縁で私が演出を務めていたヒミツミ『熊野/班女』に出演していただきました。
オトズレが演劇作品をつくる上で信念としていることを、凄まじい理解と共感をもって鮮やかに体現することのできる俳優です。彼女が加わることでより一層、我々らしい作品がつくれるのではないかと期待しています。
あとじゃがいもが好きらしいです。本八幡にずっと気になっているじゃがいも料理の専門店があるので、いずれ劇団員を誘って行ってみたいのですがどうですかね。

次回以降の公演について、坂本・春江・須貝の3人で計画を進めています。ぜひ続報をお待ち頂ければと思います。

今後とも、オトズレをよろしくお願いいたします。

2024.09.25
オトズレ主宰 坂本樹

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