「戦争はなぜ終わらないのですか?」という問いが平和へとつながっている 小学3年生に向けて
小学3年生からのぎもん第2弾です。
ちなみに第1弾はこちら。
そして今回は「戦争はなぜ終わらないのですか?」というぎもんです。
多くの人がかなしい思いをするのに、なぜ戦争は終わらないのでしょう。なぜ戦争は起きてしまうのでしょう。
いっしょに考えていきたいと思います。
■大事なものがある、ということ
戦争のきっかけとして大きな理由のひとつに「大事なものがある」ということがあげられます。
みなさんも大事なものがあるでしょう。
お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、おとうと、いもうと。
学校の先生も大事。近所のともだちも大事。
クリスマスプレゼントでもらったポケモンカードや仮面ライダーのドライバー。ちいかわのぬいぐるみ。はじめてさか上がりができた公園。親にないしょでともだちとのぼって歩いた高いへいの上。
みんなの大事なものがこわされると知ったら、あなたはどう思うだろう。
ぜったいいや?こわそうとするやつらは敵?ぜったいに守り切ろうと思う?
戦争は、わかりやすく言うとつまりこういうことです。
みなさんの大事なものを、ぜんぜん大事にあつかわない人がいる。
それは別の国だったり、同じ国の人だったりします。
話し合いで仲直りができれば戦争は起きないのですが、話し合いがうまくいかなかったり、さいしょから話す気がない人もいるのです。
■守るために攻める
攻められたらたいへんなので、守らなければなりません。
だけど守り続けるのもたいへんです。
みなさんも、だれかにたたかれたらイヤでしょうし、いつたたかれるか分からないまま、ずっと守りつづけるのもイヤでしょう。
大事なものを守るために守りを固める。
守ってるだけだとたいへんなので、攻める力も育てなければならない。そう考えることで、国は戦争からぬけ出せなくなっていきます。
たとえば、となり町の小学校にいじめっ子がいるとします。
そのいじめっ子がみなさんの小学校の近くにまで来て、みなさんのともだちをたたいています。
そこでみなさんはヘルメットを買いそろえたり、バット(プラスチックのやつ。木製とか金属バットはダメだ。相手が死んでしまう)を買いそろえたりしました。
おかげでとなり町のいじめっ子は来なくなりました。
だけどべつの小学校からまたべつのいじめっ子が攻めてくる、といううわさを聞きました。どうやらとなり町のいじめっ子と、そのべつのいじめっ子はともだち同士らしい、といううわさも。ヘルメットとかバットとかを持っているようなやつらはボコボコにしても良いはずだと考えているのでは、といううわさも。
うわさなのでたしかめられません。
でもみなさんのまわりのともだちや生徒たちはこわくてこわくてたまりません。
これが戦争が終わらない理由のひとつです。
「攻められるかも」
「守らなければ」
「強くならなければ」
「強くなったせいで攻める気があるとかんちがいされてしまった」
そして戦争のこわいところは、うわさ話だけでも人々にとてもこわい思いをさせられる、ということです。
みんなのために良い情報を伝えたつもりが、そのせいで戦争が止まらなくなる場合もありえるのです。
■お金もうけゲーム
戦争が終わらない理由のひとつに、「お金もうけゲーム」があります。
戦争はお金もうけができる、ということです。
ぼくたちはもうかりませんよ。戦争の道具を売ったり買ったりしているひとたちがもうかるということです。
さきほどのたとえ話で、ヘルメットとバットを買いそろえましたが、もしその考えを言い出したのが「野球グッズ専門店の息子」だったらどう思いますか?
お店のヘルメットとバットがなかなか売れず困っていることを知った息子は、これを売りさばく方法を思いつきました。野球に使うのではなく、ケンカに使うよう仕向けたのです。
お店の店主は大喜び。息子も欲しいおもちゃを買ってもらえました。
ケンカに参加する子を増やしていけば、ヘルメットとバットも売れていきます。
実際の戦争もこれと同じ構造をしています。
ミサイルや戦闘機は型が古くなると近代の戦争では使い物にならなくなります。つまり邪魔になります。
だから「戦争が起きそうだぞ」と仕向け、古くなった戦争兵器を売りつけるのです。
そうすることで新たな戦争兵器を買ったり開発したりして、攻撃力も防衛力も高めます。
お金もうけになるし、物が古くなったら誰かに売りつけることができる。なので戦争はかなり手がたい商売なのです。
■核兵器のこわさ
戦争は大事なものを守ったり、守るために相手を攻めたりすることだとお伝えしてきました。
そしてお金もうけになるので止められない、ということもお伝えしました。
そんな中、戦争は大きな転換期(ゲームチェンジャー。根本的に大きく変えてしまう時)をむかえました。
核兵器の登場です。
核爆弾とふつうの爆弾は名前がにていますがぜんぜんちがうものです。
核爆弾は「はかい力」もものすごいですが「放射能汚染(ほうしゃのうおせん)」もものすごいのです。
放射能汚染はとてもおそろしいということがきろくで残っています。おとなといっしょに見ましょう。
核爆弾はとてもこわい。
そのため、アメリカやロシア、中国なども核爆弾を持ちました。
「攻めてきたらお前の国に核爆弾を落とすぞ」とおどすためです。
いろんな国に核爆弾があるので、おたがいに戦争ができないじょうたいです。
敵の国に核爆弾を落としたら、自分の国に核爆弾を落とされてしまいます。
自分の国が放射能で汚染されてしまったら、その土地や人々をなおすためにものすごいお金がひつようになります。
戦争でもうけたいのにもうからなくなってしまいます。
■代理戦争
戦争でお金もうけがしたい国があります。
だけど核爆弾の打ち合いがこわいので戦争できません。
そこで、核爆弾を持っていない国に戦争をさせ、その国に戦争兵器を渡すことにしました。
「お金もうけゲーム」のところで「野球グッズ専門店の息子」をたとえ話に出しましたが、息子が自分の学校のともだちではなく別のいろんな小学校にヘルメットとバットを売り歩いている、という感じです。
自分はケンカしないけど、戦争兵器は売り続けているのです。
ようやく「戦争はなぜ終わらないのですか?」というぎもんに対して説明ができました。
まとめると
・大事なものがあるから
・お金もうけになるから
・自分の国を傷つけないようにしながら、代わりの国に戦わせることができるから
ということです。
■まとめ 日本のファンを増やそう
では戦争を終わらせるにはどうすれば良いと思いますか?
ぼくは「日本のファンを増やすこと」だと思います。
本気です。
日本は戦争をしない国です。
憲法9条で「戦争しません」「攻めるための兵器を持ちません」「戦争するという意思を見せません」と宣言しました。
だから日本は核爆弾も持ちません。
その意味では日本はとても弱い国とも言えるでしょう。
だけど日本にあそびに来る外国人が多いでしょう。
日本が好きだからです。
日本のマンガとかアニメが好きで、ゲームが好きな外国人が多いからです。
「日本をいじめるのはゆるさない」という外国人が増えたらどうなると思いますか?
アメリカ人やロシア人や中国人が「日本をいじめるな」というのです。
そして「日本のここが好き」とみんなで話し合うかもしれません。
とてもすてきじゃないですか。
富士山や川などの自然。観光地。そして作品を生み出している人々。
これらは核爆弾でいっしゅんにしてこわれて消えてしまいます。
そんなことはさせない、といろんな人たちに思ってもらうひつようがあります。
日本だけじゃなく海外の人たちに日本のファンになってもらって、えらい人たちに「日本のファンになれ!日本をいじめるな!」と言ってもらう。
ぼくは、これが戦争が終わるための第一歩だと思っています。
その次は「核爆弾を捨てろ!」です。
「戦争はなぜ終わらないのですか?」というとてもすばらしいぎもんを持ってくれたあなたへ。
そのぎもんは世界が平和になるためのぎもんです。
これからもぜひ考え続けてみてください。
そしてぼくが考えた「日本のファンを増やそう」よりももっとすてきな考えが思い付いたらぜひみんなにはっぴょうしてみてください。
あなたのぎもんが大きな転換期になることを信じています。