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【詩】たい焼き踏んでんぞ

床に落ちた 数秒前までたい焼きの一部だった中身は
床にあるだけでもうゴミと認識される

落ちる前までは救いたかったのに
落ちたらもうダメで

底辺に落ちた 数年前まで成人男性の一人だったそれは
底辺にいるだけでもう誰にも認識されない

落ちる前までは人だったのに
落ちたらもう人扱いされない

たい焼きは踏めないのに
床のあんこは踏める大衆
踏んで 被害者ヅラ

たい焼きを ぬちゃぬちゃ喰うハゲた眼鏡のおっさんが
あんこも皮も撒き散らしながら
日本の未来を配置していく

みんなの足の裏に 数秒前まで希望だったものがこびりついて
みんな不機嫌


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