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『日常の優しさと猫ミクジと私』
「猫のお告げは樹の下で」(著者 青山美智子)を完読しました。
7つ+α短編物語で、各々が微妙にリンクしながら、どれも心がホッと温まるような物語ばかりでした。
●日常の中で自分の視点さえ変えれば優しさに気付ける。
短編集ですが芯となっているのは、主人公がたまたま訪れた神社で「ミクジ」と呼ばれる不思議な猫に出会い、その猫から1言添えられたタラヨウの葉をもらう。
そして、その1言は受け取った本人しか見えない。。という。
どの物語の主人公も、もらった1言にまつわる気付きを得るのは、今、目の前にある日常について自分の視点を変えた事です。
その気付きが、その主人公に今、この瞬間に必要なメッセージばかりで、どの物語も涙腺ホロっとくるものばかりでした。
●7つのミクジキーワード
各々の物語と私のウルっときた言葉を紹介します。
同じくウルッときた方は是非とも読んで欲しい。
文脈含めて、さらなる感動を味わえるのを保証します!
1枚目「ニシムキ」(失恋した女性の物語)
誰かを好きになるって、その人が自分に混じること。
2枚目「チケット」(思春期の娘を持つ父親の物語)
大丈夫、娘はこの広い世界を自由に動いて、必要な時にちゃんとここに来る。
3枚目「ポイント」(自分のやりたい事が見つからない大学就活生の物語)
僕はずっと、どこへ行けばいいのか分からないって思っていた。先にある終着点だけを探していた。まず知るべきは、目的地じゃない。現在地だったんだ。
4枚目「タネマキ」(定年後やりたい事もなく、息子嫁と同居する男性の物語)
ワシはもう、待っていても仕方ないのか。そうか、待っていなくて、いいのか。(☆この「、」の多さに涙腺爆発!!)
想いはこちらの意図しないところで回っていくのかもしれない。どこかで勝手に咲く花を、知ることはなくても。
5枚目「マンナカ」(転校して学級に馴染めない小学生の物語)
心が病んでるって、一生懸命な人のことを笑ったり、誰かが大切にしているものを平気で踏みにじったりするやつのことだと思うんだ。
自分のいるところが真ん中。自分が本当に思うことが真ん中。(☆ラスト付近に先生と主人公の手紙のやり取りがあって、そこが1番良くて、長くて描ききれないので割愛します。が、私はこの短編が1番好きです。)
6枚目「スペース」(専業主婦で夢を諦めかけた女性の物語)
戦わなくていい。誰とも、自分とも。不要だと思うような感情が生まれてしまったときは、そのつどさっと祓えばいい。
7枚目「タマタマ」(第二の人生を地元から随分遠くて離れた場所で生活している女性の物語)
構造上、1番強いカタチは球体だよ。外からの衝撃に負けず、それでいて自分は何も傷付けない。たくましくて穏やかで、そして美しい。
ね、素敵な言葉ばかり。
寒い今の季節に、ポッと心を暖かくしてくれる言葉に溢れていて、大事な感性を再認識させてくれる本書です。
●ココア本もオススメです!!
青山さんの作品に「木曜日にはココアを」も有名で、私はこちらを先に完読しました。
構成と心温まる物語のポリシーは同じですが、最後のオチはココアの方が私は好きでした。
だけど、両作共にオススメなのは間違いありません。
気になる方はこちらもチェックしてもらえれば幸いです。
(夕方散歩での1枚。夕暮れは夏が好きだなー、と思ってたけど、冬は空気の冷たさと透明度で新鮮な気持ちにさせてくれます。また好きな季節の瞬間が増えました!)
◇ロケジョの呟き
今回は身近なネタが無いので割愛!!
またの機会にー♪