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トウモロコシの一生

佐久市内山での農業複業化プロジェクトも2年目に突入。私自身の「農」への身の置き方をアップデートするためにも、今年は複業の田んぼ以外にもいろいろ「体感」してみようと思い、農繁期はほぼ毎週、複業化Pの作業がない週も木曜夜から佐久に入り、金・土・日でイソップさんや隊長の本業の農作業のお手伝いをさせていただくことにしました。
ということで、今回はトウモロコシの栽培について、イソップさん&隊長の畑のお手伝いを半年ほど掛けて辿っていきたいと思います。

4月:土づくり

トウモロコシといえば、イソップさんの「つながり自然農園」のドル箱スター。まずは土づくりから。

廃菌床(ホ○トさんから購入)

軽トラに廃菌床を山盛りに乗っけて(乗っけるだけでも結構労力かかります)、いざトウモロコシを植えるという畑へ。積んできた廃菌床をまんべんなく撒いていきます。今日この日のこの作業だけで数時間掛かりました。

ちなみにこの廃菌床、きのこの菌床栽培の副産物なのですが、一度のきのこの収穫が終わると産業廃棄物としてお金をかけて処分する必要があります。廃菌床は収穫できるきのこの2~3倍(重量比)の量になるため、大手のきのこ栽培業者では大量の廃菌床が発生するそうです。
廃菌床の中には、きのこを収穫した後も豊富な栄養素が残っているため、破砕してそのまま、もしくは堆肥化して畑に撒くことで農業利用が可能です。特に廃菌床は窒素含有量が少ない上、微生物の活動も促進されやすく、土壌改良に効果的(株式会社ニッポーHPより引用)なんだそうです。
現在イソップさんはこの廃菌床を、業者さんから1トンXXX円で購入しているそうです。

5月:播種

種播きの季節がやってきました。この日は「白い恵味」という品種の種を播くことになりました。つながり自然農園では「高糖度!!純白であま~い 生で食べられるフルーツコーン」として販売しています(残念ながら今年分は完売!)。

純白であま~い 生で食べられるフルーツコーン(の種)

これを、播種育苗用トレイに一粒ずつ丁寧に撒き、上からバーミキュライトで薄く覆土し、たっぷり水をやります。

写真右側が約1週間前に播種した苗

一度にいっぱい播くと、収穫時期も重なってしまうため、できるだけ長くコンスタントに収穫できるよう、播種の時期を微妙にずらすんだそうです。

6月①:定植

苗がある程度(20cm前後)育ってきたら、いよいよ畑に定植です。
この畑は1反(約1,000平米)くらいですかね。マルチの端から端まで、大体50mくらいでしょうか。

遠くに人がいるのわかりますか?
数週間前に植え付けた苗。だいぶ育っています
育苗用トレイをこんな感じで持ちながら、1本1本、植え付けていきます
この日は4名で植え付けを行いました。何本植えたか忘れました・・・

6月②:害虫対策

今年初めての試みとして、無農薬トウモロコシ栽培の天敵!アワノメイガの幼虫を防除するため、畑にマリーゴールドを植えることになりました。除虫菊のような位置付けでしょうか。

まるで花卉農家?

6月③:獣害対策

さてさて害虫のお次は獣害対策です。トウモロコシの場合、新芽の段階で鹿が、実がつき始めるとタヌキやハクビシンが現れるそうで・・・
今回、今年開墾してトウモロコシを栽培する隊長の畑に、ゼロから電気柵を設置するというまたとない機会に恵まれました(笑)。

まずは電気柵を張るための支柱を準備
支柱を持って・・・
ここぞとばかりに・・・
渾身の力を込めて・・・
いっちょあがり!
やっと支柱を立て終わったところ
電柵ケーブル(ワイヤー)を張り巡らせ・・・

ちなみに電柵ケーブルが3列並んでますが、一番上が鹿対策、下の2本がタヌキ&ハクビシン対策だそうです。この畑の開墾後間も無く鹿ちゃんの足跡が確認されたため、トウモロコシの植え付けの前にまずは電柵を設置しなければ〜ということでこの日を迎えました。この作業をこの日、隊長と二人でやり切りました!

アースボックスと太陽光パネルは隊長がヤフオクで購入
こんなちっちゃな太陽光パネルでいけるんですね
それ以外のキットは隊長のお手製!
無事通電を確認

ここまでで6月の下旬になっていました。

7月上旬〜中旬:生育

7月になりました。トウモロコシちゃんたちはどうなっているでしょう?!

結構背が高くなっています
実も育ってきています!
招かれざる客も・・・
待ちきれないので、ヤングコーンをお裾分けしていただきました
軽く茹でて・・・
この日のメインディッシュです!

7月下旬:収穫

7月後半。いよいよ収穫です!
まだ朝靄の立ち込める中、朝5:20に畑に到着。今年何度かこのシーンを経験しましたが、毎回心が洗われるような心地がします。

この時期、イソップさんはこの景色に見惚れるヒマはないそうです

トウモロコシの収穫適期を見極めるのは結構難しいです。シロウトの私が畑に入ると、なんかどれも良さそうに見えるんですが・・・
イソップさんに伺ったところ、ざっくり以下の3要件を満たしていないと、収穫しないそうです。

  1. 先端まで実が詰まっていること

  2. 根本(芯の)部分がプックリしていること

  3. 髭根を少し掻き分けて色が熟していること(ホワイトの場合、判別不能!)

しかも、1番果であることが大前提!トウモロコシは1本の苗木にだいたい2個、実が成ります。そのうちの上の方が1番果。2番果と比べると甘さが違います。

赤丸の方が1番果


いい感じに実が詰まっています
これを待ち望んでるリピーターが多数!
待ちきれない!
お手伝いレベルですが、感無量!


8月:絶賛収穫中

芯も一緒に炊き込んで
ご馳走トウモロコシご飯


9月:畑仕舞い、そして来年に向けて

怒涛の出荷シーズンを乗り越え、収穫が終わったある日の畑にて。

BEFORE
AFTER

「今日は何するんですか?」とイソップさんに尋ねると、「ひたすらマルチを剥がします!」とのこと。なるほど~この地面とほぼ一体化しちゃってる黒いヤツを、剥がすんですね!

ところどころ黒い箇所が・・・
なるほど、これを全部剥がさないとダメなんですね

やってみてわかったこと。これ、意外と大変です。事前にトラクターでトウモロコシの茎はある程度刈り取られていましたが、根っこから地面すぐ上くらいまでは結構残っていて、要領よく剥がさないと、引っかかってやたら時間掛かったり、茎に引っかかってマルチが破れたり・・・
悪戦苦闘しながら、なんとかこの畑のマルチをイソップさんと全部剥がし終えました。

剥がしました

途中でイソップさんが興奮したような声を出してるので近寄ってみると、なんと、マルチのすぐ下に、カブトムシの幼虫がワラワラと・・・

カブトムシの幼虫の天国になってました!

マルチを剥がし終えたら、今度は廃菌床の出番です。あ~これ、4月にもやりました!秋にももう一回入れるんですね。廃菌床の菌糸と土中微生物の働きで、土を豊かにします。

いつか見た風景
来年に向けた仕込み

いや~ここまで振り返ってみると、トウモロコシの栽培って、結構タイヘンですね。ここまで手を掛けるから、あの美味しいトウモロコシができるわけです。納得。


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