ヒエラルキーをつくりがちな経営者しかいないのに自律分散協調型の経済団体にみる、そのコミュニティ形成要因(前編)
「守成クラブ飯田」という経済団体に所属させていただき、早いことで8年近く経ちました。この団体は、とある会社(北の人たち)が営利で主催しているのは間違いないのですが、全国各地で会場を自律的に形成していて、
「北海道から沖縄まで全国約155会場、16,000社以上の会員を有する会」
と、もののサイトには掲載されています。
回りくどい表現をしましたが、この団体の構成は単純ではありません。後述する団体の目的によるところもあるのでしょう、
飯田会場自身が自分たちの会場の運営を基本的にはすべて担います。
しかも、会場への収益はあまりありません(その収益も会員のために使われます)。よって、営利の土台の上に非営利が載っかっているイメージです。ともすると、「北の人たちの営利を無償で手伝っている状態ではないか」と疑義がでるほどです。
なお、会員システムに一見マルチっぽい仕組みがあるように”見える”ため、よく見ないと勘違いしますが、決して反社会的なシステムではありません。わたしも誘われた当初は疑問がありました。しかしながら、寧ろ年会費や会合の費用は他団体に比べても格安だと思いますし、慶弔やボランティアなどはなく、かなり割り切った会です。
では何を目的にしているか、それは「商談」です。
ちなみに入会できるのは「経営者またはそれに準ずる方」ということで、経営者の経済団体となります。
この団体、「商談」が目的で、毎月1回、例会を開催するだけの集まりです。飯田会場では入会時に「世話人」と呼ばれる会員さんらから
「『懇親』ではなく『商談』です」と説明があります。
この8年間、ことさら「商談」を強調し、合理的に会を維持してきたように思います。これを心地よいと考えるか否かは人それぞれでしょうが。
なお、その「世話人」さんたちが会の運営を担っていて、先述のとおり完全無償奉仕です。「自分たちの会社は自分たちで守る」「マーケットは自分たちでつくる」という「合理的な商談の場」が団体の考えの基礎にあり、「世話人」さんたちはその思いで例会運営を担ってくださっています。
こうしたこともあり、余計なものを省いた結果、格安な会費で運営ができていると思われます。一方で「営利の土台」の有意性が問われるぐらい自律的な運営が会場に求められます。つまり、自分たちでやらなければ何も生まれないということです。
さて、この新型コロナ禍では飯田会場も多分にもれず苦境に立たされておりまして、発足以来、休むことなく毎月開催していた例会が数ヶ月開催されないという事態に陥りました。そうしたなか、7月より手探りしながら例会が再開し、9月は例年、周年例会を開催する運びとなりました。
なお、8年目の周年例会に合わせて代表も交代することとなり、前代表のO社長(太田建設)さんから引き継ぎ、長きに渡り代表を務めていただいた三菱ふそうトラック株式会社のK支店長さんが退任され、新年度からは原建設のH専務が代表に就任されます。
さて、前置きが長くなりましたが、飯田の会場の特異性をひとつあげるならば、題名の「自律分散協調」です。(そもそもこのnoteは、わたしたち「週休いつか」がずっと追ってるコミュニティ形成に関する話題を書こうとしています。)
歴代代表も新代表も、いわゆる代表らしく無い、ということ。
あくまでわたしの勝手な見立てですが、この団体はかなりフラットな集合体なのです。みなさん建設会社や大きな会社さんばかりなのに。
補足ですが、わたしは自律分散協調型コミュニティをピラミッド型の組織と対義で使っています。ピラミッド型の組織はわたしたちの社会ではわかりやすくて、会社も学校も地域も、けっこうそういうコミュニティになってますよね。ヒエラルキーの世界観です。
ですから、放っておくと自然とヒエラルキー型のコミュニティになるのですが、わたしたちはこの時代にちょっとそぐわないと考えていまして、しかも、楽しくないなって思っていまして、その中でも最もそぐわなさそうな会社を自律分散協調型に持っていけないか、ずっと実験しています。だから、「週休いつか」の社長には「いちおう」が枕詞のようについていたります。
さて、
どうして「守成クラブ飯田」が自律分散協調型となったのか、
ちょっと長くなりすぎたので次回に回すことにいたします。守成クラブを説明するのに文字数を割きすぎました・・
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