「琴平社」で運営側に回ってみたら皆んなが幸せそうだった話
「二年参り」という言葉を聞いたことはありますか?
長野県では初詣のことを二年参りって言う人、多いです(というか全員?)。もともとは「二年参り」だったものが、廃れたという話もあるようですが、定かなことはわたしは知りません。(以下、わたしは神社に関して素人で、いろいろ言い回しなども含めて不備がございましたらすみません。)
そんな「二年参り」の運営側に回ってみたお話です。
会社が境内にあって、唯一の氏子になってます
会社の施設(裏山しいちゃん)が、『琴平社』という神社の境内にあるという縁で、毎月の掃除やふた月に一度のお祀りなどにも参加させていただいております。
琴平社は地域の氏神様ではなく、飯田城主と縁がある神社だそうで、お祀りなども、お呼びする宮司さんの他にはおふたりの総代さんとわたしたちだけで執り行います。実は、氏子はわたしたちだけなのです。
お護りする人の数が少ない上に、おふたりしかいらっしゃらない総代さんのご年齢はかなりのご高齢です。おひとりはまもなく100歳!
そのようなこともあって、数々あった行事も消滅の一途。そのひとつに「二年参り」もあったわけですが、このところは提灯を掲げるだけになっていたのです。
そんな琴平社の「二年参り」が今年は復活!
今年、そんな琴平社の「二年参り」が久しぶりに復活しました。
きっかけは、このところ「裏山しいちゃん」に出入りしている高校生たちの「巫女さんやりたい!」という単純な発想でした。
そこで普段お世話になっている宮司さんにご相談させていただいたところ、「総代さんの許可があればぜひ」というお返事を頂戴し、さっそく総代さんに相談させていただくことになったのですが・・・。
わたしたちは少し心配していたのです・・・
実は掃除ひとつとってもやり方があるようで、わたしたちが掃除をしていても「大丈夫ですから」と言われることもあり、「きっとやり方があるんだろうなぁ」と社内では、普段そんな話をしてきました。
なにしろ何十年と大切にお護りされてきた方々ですから、「わたしたちが後から入ってきて、今までにないことをやって大丈夫かな」と、いろいろと考えてしまうわけです。今回のことも高校生の気持ちに背中を押されて、恐る恐るお尋ねしてみようとなったものの、正直、どうなるか心配でした。
しかし!
そんなわたしたちの心配は杞憂に終わり、総代さんのお返事は「良いでしょう」!
杞憂に終わるとはまさにこのこと。総代さんは二つ返事でこの提案を受け入れてくださりました。
そうと決まれば早速準備で、巫女の装束や道具などを宮司さんのいらっしゃる神社に取りに行ったり、甘酒の買い出しやら、張り紙やらと、せわしい師走がますますせわしくなったのでした。
そうして迎えた大晦日の夜
そうして大急ぎで準備を整え、大晦日当日。
巫女さん役の高校生も、前日、宮司さんの神社で作法を教わってきたものの知らないことばかり。付け焼き刃ですが致し方ない。会社のスタッフも着付けを手伝って、高校生数名とで即席の「二年参り」の参拝客をお迎えする準備が整いました。
かしこまって、所作のリハーサル。
なかなか照れる。
笑いが止まりません。
明るい神殿になりました
ひさびさに復活した神社の行事ということもあり、また、もともと氏子衆を持たない神社ということもあり、参拝者はほとんどありません。
それでもTwitterやFacebookをご覧になって来られた方、お隣の稲荷神社(こちらは崇拝者がいらっしゃる)から「復活したそうですね」と皆さんで詣でていただいて、普段は人気のない神社に賑わいができました。
しかも、巫女さんが神殿から御神酒を振る舞ったのは、総代さんがお護りされてきた中で初めてのことだったと思います。総代さんもとても嬉しそう。あんな口数の多い総代さんを見るのは初めてでした。
(↑「二年参り」は大晦日と元旦と日付をまたいでおこなうので、そのかん社務所で時間を潰す高校生の一味。このあたりは高校生 笑)
一風変わっていても・・・
厳かばかりが良いといいうこともなく、彼ら世代は彼らなりの楽しみ方もあって良いのではないだろうか。わたしたちの会社の、神社への関わり方もしかり。
・・・なんて言ってると、総代さんにどう思われるかな。
「株式会社週休いつか」は、その会社名のとおり、ふだん、常識と非常識をつとめて交換しようとしていて、ともすれば伝統を破壊する側の会社と思われることもままあります。名前自体が不適切 笑。
確かに、そんな側面もあると思います。でも、大前提として「利他」を追求しいている会社でもあります。
正直なところ、わたしは信仰心がどういうものか、きちんとわかっていない人間です。ただ、他人が大切にしてきたものは、わたしも大切にしようと、それだけのこと。
そんなスタンスで神社に関わらせていただいていたら、結果として、総代さんも含め、みんなにとってこんなにも楽しいことが出来て良かったなぁと思います。
それから、普段は決して交わらない人たちが、こうやってひと時を共に過ごすということが出来たのは、わけもなく嬉しかったかな。「裏山しいちゃん」をはじめ「週休いつか」という会社には、そんな価値がわかる人たちが集まり始めています。あなたもぜひ、その一員になりませんか?