視覚障害者も楽しめるロゲイニングとは?
パラロゲイニングは新たな造語(命名は富山三つ星山の会 桐井事務局長)ですが、3月に富山県の越中八尾で視覚障害者の登山団体「富山三つ星山の会」の月例会のコンテンツとして開催。専用の地図とチェックポイントリスト用いた日本初の取り組みとあって地元新聞2社にも掲載していただきました。
「パラ(Para)」はギリシャ語の前置詞で「並んで立つ」。さらに「対等」という意味も含みます。誰もが観光と運動とコミュニケーションを楽しめるコンセプトにもぴったり。
視覚障害者にとって地図を見ながらチェックポイントを探す一般的なロゲイニングの常識は通用しません。視覚以外の楽しみを考えて、開催地ならではの音探しを試験的に取り入れました。
チェックポイントリストにはQRコードを記載しておき、サポートメンバーがスマホで読み込むと対象の音が流れる仕組み。町の中を流れる生活用水、通称「エンナカ」、越中八尾発祥の地八幡社の手水舎の水の音、JR高山本線の普通列車の走行音の3つを見つけたらスマホの動画機能での撮影を証拠とするルールです。
視覚障害者には好評でしたが、サポートメンバーにとっては物足りないという課題が残りました。誰もが楽しめる内容と、競技としてのバランスが今後の課題で、腕の見せ所です。
パラロゲイニングは、コロナ禍でも開催可能な屋外アクテビティとして継続開催を期待され、早速5月に富山市の呉羽山で開催という新たな依頼をいただいています。やるからには障害者からもサポートからも「すごい楽しかった!」という声を聞きたい。
制作にあたり、実際に現地に赴き、目を閉じて感じてみる。
風のおと、鳥のさえずり、滝のおと、温度、匂い。「目に見えない地図作り」は全く新しいチャレンジですが、私に新しい世界を広げてくれています。
5月2日記
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