わたしを幸せにしてくれる人 ①
写真:ブリキボタン
高校3年生の春、それまでの人生でたぶん1番大切にしていたのが母だった。
母は寛容な人だった。自分の至らないことを自覚していて謙虚だった。母は常にわたしの行いに理由を求めたので、なぜそれをしたのかをいつも考えさせられた。だからずいぶん理屈っぽい小学生に育った。やりたいことはなんでもやらせてくれ、習い事も片端から行った。飽き性なので続いた試しはなかったが、その度に行きたくないなら行かなくていい、と許してくれた。
母は感情豊かな人だった。母が楽しい時は部屋