寒いお昼にテンジャンチゲ
体をあっためたくて家の近所の「とんちゃん」に来る。
目当ては味噌チゲ。
昼ごはんを食べ残って来たのはおやつどきちょっと前。ここは4時までランチメニューをたのめるようになっているのがありがたい。
お店はしずか。大型モニターではBLACKPINKのミュージックビデオがかかっていました。
4種類のおかずにご飯、ステンレスのピッチャーにたっぷりの氷水がまずやってきてメインを待ちます。
ちなみに味噌チゲ…、思い出深い料理です。
韓国の外食企業向けのコンサルティング会社を父が経営していた時期があって、本社はソウル。だから当時は年に1ヶ月はソウルで生活していました。行くと現地の人が韓国のおいしいものをといろんなお店に連れてってくれるのだけど、しばらくすると甘辛い味に飽きてくる。
そんなときにおねだりしていたのが「テンジャンチゲ」。
つまり味噌チゲ。
味噌と牛骨スープでほぼ味が出来上がるから甘くないのネ。
甘辛味に疲れた舌にそれがしみじみありがたい。
それにお店によって使う味噌が違ってて、食べ比べるのもたのしかった。
現地の人もスンドゥブや冷麺よりもテンジャンチゲが好きという日本人が珍しかったのでしょう。
あなたは韓国人の生まれかわりですか?なんて喜ばれたものでした。
父はテンジャン味噌独特の匂いがあまり好きじゃなく、青唐辛子の辛みも苦手でテンジャンチゲは好きじゃなかった。韓国が大好きで、韓国語を流暢に喋れるようにがんばったのに、息子さんのほうが韓国人らしいって言われて苦虫潰したような顔になっていた。
20年も前のことかなぁ…、なつかしい。
小さな鍋でグツグツしながらやってくる。中には具材がたっぷりです。
豆腐にじゃがいも、ズッキーニ、ネギに玉ねぎ、青唐辛子。しめじにイリコがゴロゴロ入ってどれもに味がしっかり入ってハフハフおいしい。
味噌はこさずにそのまま入っているから味噌の原料の大豆もホツホツ。汁はとろみがついてなくって喉越しすっきり。青唐辛子の辛みもスキッと鋭くて、まったりしたところがないのがボクが好きなとこ。
底に残った鍋の中身をご飯の器の上にかけ、ザブザブ食べる。カクテキにもやし、小松菜のナムルにこんにゃくとおかずもおいしくお腹は満ちる。
あったまる。