銀座の吉宗。名物料理見事復活、夫婦蒸し
銀座の吉宗で「夫婦蒸し」がはじまりましたよ…、って教えてもらってやってくる。
吉宗の看板料理の茶碗蒸しと蒸し寿司がセットになって夫婦蒸し。
2年ほどの閉店ののち、去年営業再開したときには蒸し寿司を調理するための設備が整わずメニューになかった。
それがやっと提供開始。うれしいったらありゃしない。
茶碗蒸しも蒸し寿司もどちらも同じ蓋付き茶碗。2人でくれば茶碗は4つ。お店の人は蓋の乾き方とか重さ、熱さでどっちかすぐに分かるんだという。魔法のように間違うことなく配膳される様子にタナカくんとニコニコしながら見惚れてました。
今日も見事に茶碗蒸しは右側、蒸し寿司は左側と迷わずおかれる。惚れ惚れしました。
いつもはこれに太麺の皿うどんを追加し分けていたけど、ひとりじゃ当然もてあま。夫婦蒸しだけしみじみ食べる。
まずは蒸し寿司。錦糸卵とピンクの田麩、細かく刻んだ焼き穴子が幾何学的な模様を描き、すし酢の香りが食欲誘う。蒸されることで酸味の角がとれた酢飯はほどよく甘い。具材と混じって口の中をにぎやかにする。
茶碗蒸しは蓋を開けるとゆったり震えるなめらかさ。
れんげを当ててひとすくい。
表面がやぶれて下から出汁が湧き出す。
これ以上出汁をくわえると固まらなくなるんじゃないか…、って思わせるほどに玉子はなめらか。そこにかまぼこ、お麩にしいたけ、穴子にキクラゲ。銀杏、鶏肉、白身魚と具材が混じる。そのにぎやかさにウットリします。互いが苦手なしいたけ、鶏肉を交換して食べていたのを思い出す。
茶碗蒸しも蒸し寿司もそれぞれおいしい。けれど一緒に食べると互いが互いをおいしくさせる。ふたつ揃ってはじめて完成するひとつのゴチソウ。まさに「夫婦」と思ってニッコリ。またまいりましょう…、オキニイリ。