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パテと食パン、グリドルが作るサンドイッチ
代々木の駅の南側。山手線の高架をくぐった先に小さな踏切がある。
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「厩道(うまやみち)踏切」という名前で、おそらく内藤新宿の宿場の厩が近所にあった名残でしょう。
その踏切の信号によりそうようにお店が一軒。
「バーガーズベース」っていうハンバーガー屋さんで、昔は別の名前の佐世保バーガーの専門店だった。
長崎出身のタナカくんとそのとき一度来たことがある。
外の風情は昔のままで、なつかしいなぁ…、と思って外のメニューを見てたら気になる料理が見つかった。
「スパイシービーフサンドイッチ」。
ハンバーガーのパテを食パンで挟んで焼いたサンドイッチで、多分好きに違いないと思って試してみることにした。レジカウンターで先払い。フレンチフライかサラダが選べるサイドはサラダ。レモネードソーダをお供にしました。
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入り口脇にグリドルがあり、そこでじっくり時間をかけて焼き上げる。
出来上がりまでに5度ほど踏切がなる音がした。
お待たせしましたって運ばれてきた料理にボクは一目惚れ。
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ふた切れにしたサンドイッチを重ねて立たせて盛り付ける。
その断面のおいしそうなこと!
分厚いパテにトマトにレタス。挟んだ具材の量に比べて、パンはう薄切り。このアンバランスがハンバーガーにはない魅力。
サイドのサラダもボリュームたっぷり。
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ロメインレタスにトレビス、パプリカ、紅芯大根。トマトにマカロニ、ガルバンゾ。歯ざわり、歯ごたえ、味わい多彩でドレッシングはアメリカの味。オレガノの香りが気持ちを西海岸に連れて行く。
サラダをまずは全部食べ、本格的にサンドイッチに立ち向かう。
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パンはトーストではなくパテを焼いてるグリドルで焼かれてる。だから牛肉の脂やうま味、風味がしみこみしっとりつややか。噛むとジュワッと脂がしみ出し、つかんだ指をひんやりさせる。
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ガッシリとした牛肉のパテ。バッサリ歯切れるレタスに硬めのトマト、ハラペーニョ。
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それらが一気に口の中へととびこんできて、自分を主張しつつもひとつに混じり合う。圧倒的な力強さにウットリします。
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試しに野菜を先に食べパテとハラペニョだけを挟んで食べてみる。
牛肉のうま味、風味をハラペニョの辛みや酸味、ちょっと甘めのマヨネーズが引き立てこの上もないシアワセな味が口の中で出来上がる。目も鼻も、舌もお腹も顎もよろこぶオゴチソウ。
またまいりましょう…、オキニイリ。