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ずっとシアワセであり続ける店、神田のエース
神田の「珈琲専門店エース」ではじめるしあわせな朝。
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シニアな店です。お店自体が古くてシニア。シニアなご兄弟でやってらっしゃるというのもステキ。
同じようにシニアスタッフで営業していたシニアな「はまの屋パーラー」は若い人たちが引き継ぎ昔の通りを守ってやっているけど、借り物みたいな感じがあるのね。
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「昭和をテーマにした喫茶店」というのと「昭和で時間が止まったお店」の差は大きくて、お店の人と一緒に歳を重ねた店だけが持つ安心感は、なにものにも代えようのない宝物。
ずっと続けていける理由がいくつかあります。
神田という変わらぬことが美徳のようなサラリーマンの町にあること。
駅から程よく離れた場所にポツンとあって、周りのお店にひきづられないこと。
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お客さまが途切れぬことなくやってきてほどよくいつもにぎやかなこと。そして「のりトースト」という押しも押されぬ名物料理に恵まれてること。それがたまにwebニュースなんかで取り上げられて、忘れられずにいられることがとても大きい。
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いつも必ずひとりやふたりはのりトーストを初めて食べにきた人がいる。バズって大行列なんてことはない程度に、新しいお客さまを呼べるというのは続くお店の必須条件。シアワセな店、いいお店。各テーブルに「元祖のりトースト」のミニチュア幟旗が置かれているのがあいらしい。
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開店から10時まで限定の朝食セット。のりトーストに一杯お代わりできるブレンドコーヒー付きで570円を選んでたのむ。
薄切りの食パンに醤油を垂らし海苔を乗せ挟んでバターを乗っけてオーブントースターでこんがり焼くだけ。チーンってタイマーが切れる音が聞こえるともうワクワクしちゃうオキニイリ。
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お待たせしました…、ってコーヒーと一緒に運ばれてくる。
途端に海苔と醤油の香りが漂ってくる。
焼けたばかりのせ海苔煎餅って感じの香り。
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さぁ、食べる。
トーストのバターが塗られてない面はカサカサ乾いた歯触りで、バターを塗ったパンはしっとり。
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醤油がしみたところはなめらかで、海苔がとろけて食感まるで磯辺餅。
バターの塩気、そしてコク。海苔の風味に醤油の味がこんがり焼けたトーストと混じって味が完成していく。バターが唇濡らしてひんやりする感覚もまたオゴチソウ。
軽い酸味を感じるここのコーヒーと相性がよくて、互いをおいしくさせるところがいい感じ。
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BGMも流れない。大きな声を上げる人もなく、エアコンの風の音やら厨房機器のモーター音が聞こえるほどに静かなお店。ときおり「ガコン」と製氷機の中で氷が産まれる音にびっくりするほど空気がおだやか。
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仕事を一応終えたご主人がカウンターの椅子に座ってのんびり次のお客さまを待つ。
いくつになってもできる仕事っていいなと思う。時代を超えて亡霊のように入れ物だけが続くサステナブルなビジネスモデルって奴じゃなく、ひとりの人がズッと続けていける商売。なんてステキとしみじみ思う。
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歳を重ねたからこそできる仕事も必ずあるはず。がんばりましょうと思う朝。