こしがなくともうどんは旨い!
おいしいうどんを食べようと、中野までくる。
中野ブロードウェイの地下一階の「うどんや大門」が目当てのお店。
オープンの10分ほど前にお店に到着。
開店待ちの行列がすでにできてて、4人目についてのんびり待ちます。
厨房の中では仕込み作業が着々と。お湯を沸かしたり、麺をしめるためのシンクに氷をガラガラ入れて冷やしたりと見てるとお腹がすいてくる。
仕込み作業が落ち着いたところで、お店の人が外に出てきて注文を聞く。
先日食べておいしかった「釜あつうどん」の小を注文。
ちくわ、れんこん、とうもろこしの天ぷら追加。うどんの薬味はいかがしますか?というので生姜を選ぶ。
徐々に行列は長くなり、一回転目でおさまらぬほど。11時がきて看板、お店に電気が灯る。いらっしゃいませの声を合図に並んだ順番で席につく。
ちょうど麺の茹で場の真ん前の席。厨房の中の仕事がよく見える。
切ったうどんを大きな釜に振り入れて、大きな棒をあやつり混ぜる。茹で上がった麺を取り上げ氷水の中でザブザブ洗ってしめていく。
その隣では奥さんが、うどんの仕上がりに合わせて天ぷらを揚げていく。息のあった仕事ぶりにニッコリとなる。
ちなみにボクのたのんだ釜かけうどん。
釜からあげたうどんを水であらったりしめたりしない。ザッザとお湯を切ったらそのまま器に盛り付けて、熱々の汁をかけて仕上げる。うどんのコシより小麦の香りやなめらかさを味わう料理。茹でおきの店じゃできないゴチソウ。
透き通った汁と細めのうどん。
それ以外はネギと生姜だけといういさぎよさ。
汁は明るい飴色で、カウンターの上に置いたままでもおいしい香りが鼻をくすぐる。
汁をズズッとまず、すする。
出汁のうま味にウットリします。
節の酸味がまずやってくる。
舌がビクッとする酸っぱさで、ところがそれがたちまち旨味におきかわる。
ああ、おいしいと思った瞬間、自然な甘みが舌をやさしく包み込む。飲み続けると酸味に舌が慣れてきて、うま味や甘みを心おきなくたのしめるようになるのがオモシロイ。
細いうどんはとてもなめらか。むっちりとして前歯や歯茎、舌にからみつき、ただやわらかいのでなく歯ごたえもある。
しかも茹でて洗わずそのままの麺。表面のぬめりや凸凹が汁をひっかけ口の中へと運び込む。あたかも汁がうどんの形をなして口へとやってくる…、そんな感覚。たまらない。
天ぷらは揚げたて、熱々。
ちくわの衣の中に青海苔。汁に浮かべてしばらくすると、衣がとろけて汁に青海苔が散らかっていく。油のコクに海苔の風味が汁をおいしくしてくれる。
シャキシャキとした蓮の天ぷら。
とうもろこしは芯から削いだか塊のまま衣をつけてサクッと揚げる。口の中でパラリとちらかり、みずみずしくて甘い粒がこわれていくのが儚くおいしい。
今日も汁まで全部飲む。やっぱり好きなオキニイリ。
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