今年のかつ丼納めを尾張屋でする
今年のかつ丼納めをしておこう。
それで尾張屋。卵かため、ご飯少なめといつもの注文。
注文を終えてなにげなくメニューを見ました。
玉子丼に親子丼、かつ丼、天丼の並に上。これに昔は「にしん重」ってメニューがあったけどなくなってた。
にしんそばが好きだったタナカくんが一度食べてみたけれど、二度と注文することはなかったからおそらくお気に召さなかったのでありましょう。
ここのかつ丼は好きだった。ふたりそろって好きだったからいつも必ずかつ丼はたのんだ。もうひとつはカレー南蛮のときがあったり味噌煮込みきしめんのときがあったりさまざま。分けて食べるのがたのしかったなぁ…。
ブーンって2階の厨房からダムウェーターが降りてくる音。お待たせしましたとボクのかつ丼がやってくる。
とんかつのパン粉衣を包み込んだ卵がふっくら。
細かな泡がびっしり衣に張り付いて、ついさっきまで鍋の中で沸騰していた名残が見える。
ほどよく分厚い。
脂がキレイに取り除かれて、繊維も抜かれて肉はやわらか。
煮汁をたっぷり吸い込んだ衣もやわらか。
しっとりしてる。
とは言え前歯を当てるとカリッと揚がったばかりのパン粉の乾いた歯ざわりをなぜだか感じる。特にカツの端っこはカリカリザクザク、パン粉が壊れる音が聞こえる。
たっぷりの汁が卵にほとんど閉じ込められていて、どかすと下のご飯は白い。飴色になったスライスオニオンもシャキシャキ感を残して仕上がる。
カツに卵に玉ねぎ、煮汁。すべてがほどよい。
ちょっと硬めのご飯の炊き加減もいつもながらのいい状態。揚がったパン粉の香ばしさや油の風味が移った煮汁がおいしくて、具材が無くても汁をかぶったご飯だけでもかつ丼味になっているのがたまらない。
いりこの出汁がガツンときいた味噌汁にわかめたっぷり。ほんのり苦くスッキリ酸っぱい後口がボクの好みでかなり好き。カリカリたくわんで器をキレイに拭って完食。
食べるたび、もっとおいしいかつ丼はたくさんあるに違いないって思うのだけど、この味が62年の人生で一番食べたかつ丼の味。だからやっぱりオキニイリ。
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