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寒い日曜。肉を焼く!

今日は肉を焼いて元気を出そうと、長春館にやってくる。

タナカくんと最後に食べた焼肉がここのランチの焼肉だった。新宿御苑の花見の〆の焼肉でした。
コロナがはじまったばかりの頃で、それまでずっと花見の〆に行ってたそば屋が営業自粛していて代わりにここを選んだ。
2階の席で煙にまみれて肉を焼き、やっぱり花より団子だよね…、なんていってふたりで笑った。それから3週間も経たずにあの世にいっちゃった。

ひとりでくると一階中央のカウンター席が一等席です。
ステンレスの壁の前に炭の入った器が置かれ、誰の目を気にすることなく肉を焼いて食べることに集中できる。
壁の上方に煙の吸い込み口があるけれど、ほどよく煙にまみれることができて焼肉食べてる実感が湧く。
今は週末限定のランチになった。平日は夜だけ営業。昼は手軽な焼肉弁当があり、それが人気でにぎわっている。

ハラミ弁当をまず選び、追加でハチノスの塩焼きハーフ。スモール冷麺ももらって代わりにご飯は半分。これが最近のオキニイリ。

サラサラしたタレ。そしてコチュジャンが小さな容器に入ってて、この辛味噌が好きだった。
すくいとるのがスプーンじゃなくて、もんじゃのハガシのような小さなコテというのが粋てしかも取りやすく、合羽橋で同じものをいくつか買った。
弁当箱に肉にサンチュのサラダにもやしナムル、刻んだ白菜とキャベツのキムチ。ワカメスープでひと揃え。

塩ハチノスはハーフサイズとはいえ8切れほども入ってて、ごま油と塩のタレ付き。
火のおこった炭の香りと真っ赤な色に、おいしく焼いてやるぞと思う。

ほどよく焦げたハラミはおいしい。
脂とタレが混じり合いこんがり焼けてご飯のお供にこの上ない味。

タナカくんはハチノスが好きだった。
肉屋さんで買ってきて、それを香味野菜と一緒に何度もふきこぼし下ごしらえをするのだけれど、シンクは脂でギトギトになるは、匂いはスゴいはで文句をいったら、焼肉屋さんは毎日これをしてると思うと感謝するほかないよね…、ってはぐらかされた。
そのままステーキして食べたりトマト煮込みにしたりしていた。
あれは本当にうまかった。
今日は炭の上でじっくり焼きます。細かな凸凹が焦げて食べるとサクサクこわれる。
そしてむっちり、噛むとねっとり。
前歯と奥歯、舌が感じる味、食感がまるで違ったところがたのしい。内臓肉独特のどっしりとした風味に旨みを心置きなく味わえるのが、塩で仕上げたハチノスならでは。

肉を焼いてるとスモール冷麺がやってくる。
ここの冷麺は本当においしい。サイズは小さいけれど具材がたっぷり。蒸した鶏むね肉に薄切りにしたきゅうりの漬物。白菜キムチにキャベツのキムチ、小さなトマトにパイナップル。半割りにしたゆで卵に松の実に胡麻。
スープがうまい。

透明で濁りひとつなくしっかりとしたコクと旨みでゴクゴク飲める。お酢もついてくるんだけど、キムチや酢漬けきゅうりのおかげでほどよく酸っぱくて麺はむっちり。
食べ応えがいい。

焼いたハチノスを乗せて食べるのと脂と焦げた風味がスープに混じってコクが出る。
ハチノスを麺でくるんで食べると互いの食感が引き立てあってまたうまい。

そういえば焼くことに一生懸命で肉の写真を撮ってなかったことに気づいた。慌てて撮って、焼いてパクリと食べてニッコリ。満たされる。


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