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ネギせいろと言う名前のイカ天せいろ
上野でちょっと人と会う。昔、一緒に仕事をしようと話をしながら果たせなかった計画を、そろそろ動かしてはじめてみるのもいいんじゃないかと…、あれこれ話して昼ごはん。
駅前にある「翁庵」というそば屋にします。
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気取らぬ雰囲気、威張らぬ値段の使い勝手の良い店で、無性に食べたくなる名物がある。
入り口入ると丁場があって、一番奥に大きな厨房。
白いシャツ着た職人さんに三角巾をかぶって笑顔のサービススタッフ。これぞそば屋という風情。
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入り口で注文したらお金を払い、食券をもらって好きなテーブルについて待つ。すかさずお茶の入った湯呑みを手にしたお店の人がやってきて、食券の内容確認。そして待つ。
厨房は蒸気で満たされて霞んで見える調理人の動きはきびきび勢いがあり、テキパキ料理が出来上がり「お待たせしました」と料理が届く。
ここの名物。「ねぎせいろ」。
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せいろの上にたっぷり冷たいそばの山。
熱いつけだれに浸して食べるスタイルで、そのつけだれの中にたっぷりネギが入っているのが「ねぎせいろ」の名前の由縁。
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しかも熱々。
湯気のおかげでカメラにレンズが曇ってしまう。
ふうふう湯気を吹きながらパシャリと撮ってそばを乗っけて、箸でグルンとひっくり返す。
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ネギの下から汁をたっぷり吸い込んだかき揚げ、ナルトが姿をあらわす。かき揚げの量がたっぷりで器をまるで蓋するようになるのがたのしく、うれしい一品。
かき揚げがタレを吸い込み衣が壊れる。すると中からぶつ切りにしたイカがゴロゴロ転がりだしてくるのです。
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クニュクニュたのしいイカの食感。衣はふくれてそばと一緒にトゥルンと口へとやってくる。崩れた衣がおいしい…、というのがそばと一緒に味わう天ぷらの真骨頂でこのうえもなく上等な天かすみたいなオゴチソウ。
そしてここのそばは長いのも特徴。
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持ち上げるとたちあがらないといけないほどの長さで、だから少量つまんでツユが入った器に入れて箸で残りを引きづるようにして押し込んでいく。それをズズッ、ズズッと噛み切らずひたすらたぐって食べていく。一緒にタレがたっぷり口の中に入って潤していく。もしもそばがマカロニみたいな短さだったら今のおいしさはなかったんだと思うとなんだかオモシロイ。途中で一味をぱらりとふって、辛味、風味を変え、食べる。
冷たいそばが熱々だったタレを冷やしていくにつれ、醤油の風味と味がキリッと強かったのが辛みが少々おだやかになり、出汁の風味やうま味が顔をのぞかす。同じ料理も温度が変わるとまるで様相変えていく。オモシロイなぁ…、料理ってつくづくオモシロイ。
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最後に蕎麦湯を注いで出汁の風味を味わって、お腹も満ちた。オキニイリ。