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沖縄のフレンチ、沖縄の朝

ひさしぶりの沖縄出張。気温差20度近くの旅です。ブルブルしながら新宿駅からリムジンバスに乗り、飛行機のドアが開いた途端に汗をかく。仕事をテキパキこなして会食。
「ラ・メゾン・クレール1853」というフランス料理のお店に来ました。

沖縄の食材を使いながらも正統なフランス料理を壊さぬように誂えられたコースをたのしむ。
まず前菜。

琉球漆器に盛り付けられたアミューズ6種。
ジャガイモのピュレにキャビアをあしらったクールコンソメ。ひんやり冷たく、なのにお腹をあっためる。
赤ワイン酢で仕立てたシャリに燻製にした鶏の胸肉、生ハムで巻いた茄子のコンフィに豚の血を使って作ったブーダンノワール。
野趣あふれる力強き大地のご馳走。
鶏レバーのパテに根菜のピクルスと食感、味わい多彩な幕開け。

そして前菜。
表面を軽く炙った本マグロの赤身。
歯応えたくましいグルクンの薄造り、燻製のイカ。アンディーブやパプリカ、インゲンのポシェと味わう滋味あふれるひと皿。
イカの燻製の火入れの状態が絶妙でした。
生っぽさをなくすかわりに旨みがギューっと凝縮されて、ムッチリとした食感が色っぽい。
沖縄は海に囲まれながら魚という食材に恵まれない…、と言われるけれどなんのなんの。熟練のプロの手にかかれば見事な料理が生まれる。
バルサミコのソースの香りと軽い渋みに酸味とコクもふくよかにして味わい深い。

蓋付きのガラスに器がやってくる。
スープの上に生クリームのエスプーマ。浮身のようななにかが浮かんで、蓋をあけるとどっしりとしたおいしい香りが湧き上がる。

「イラブーのコンソメでございます」という。
乾燥させたエラブウミヘビを3日かけて煮出したコンソメ。ローストしたナッツのような香ばしい香りとともに強い旨みが口の中へとやってくる。
サラッとしている。なのに喉を撫でるようにしながらお腹におさまり、途端に体があったかくなる。滋養だなぁ…、これぞ正しきヌチグスイ。

分厚いアワビを蒸しあげてブールブラン、バジルのソース、
島野菜のラタトゥイユを添えたひと皿。ムチュン奥歯を撫でるアワビが肉感的。

牛ヒレ肉のローストにフォアグラを添えた料理でお腹も気持ちも見事に満ちる。話も弾むオゴチソウ。


夜は明け沖縄の朝は小雨が降ってた。
サルバトーレがメインダイニングを務めるホテルで、朝のバフェ。

免税店ビルやショッピングモールを中心に開発されたあたらしい町にあるホテル。
だからどことなくハワイにいるような気持ちがしてくる。那覇空港も20年くらい前のホノルル空港みたいだし…。

こぢんまりしたバフェではあるけど沖縄気分を味わうに十分な内容で、サラダ野菜の主役がゴーヤスライス。
沖縄そばやタコワイスが作れるように配慮されてる。

麺をてぼに入れお湯に潜らせちゃっちゃと湯切り。器に入れてランチョンミートの揚げ焼きとネギと刻んだ紅生姜。
コーレグースを注いで汁の代わりにします。

メインのお皿にはゴーヤスライス、フーチャンプルー。サラダ野菜にブロッコリー、だし巻き卵にベーコン、レッドキャベツを盛り付ける。
みずみずしくてシャキシャキ歯触り鮮やかで苦味がおいしいゴーヤでお腹を目覚ましてやる。

沖縄そばってなんでこんなに好きなんだろう。
噛みごたえのあるモサモサした食感の太い麺。鰹節の出汁にランチョンミートの脂が混じり、紅生姜が脂をスッキリしてくれる。

ご飯の上に茹でた枝豆、レタス、スパイシーミートにグリーンサルサを乗せたタコライスが思いの他に本格的な味でニッコリ。
出発までの時間ちょっとのんびりします。午後東京で打ち合わせ。


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