歌舞伎座の横にあるから歌舞伎そば
歌舞伎座の北側の路地に歌舞伎そばって店がある。
歌舞伎座の脇のそば屋で「歌舞伎そば」。
わかりやすくて的確で、しかも覚えやすくて伝えやすい。飲食店の店名ってこれでいいんだ…、ってしみじみ感心できる店。
築地をぶらぶらした後に世間話や思い出話に打ち興じ、気がついたら暗くなってて時間は6時ちょっと前。
まだ間に合うはずと駆けつけ、駆け込み、なんとかセーフ。
駆け込み客が多かったのでしょう…、ちょっと待つ。
いかにもかつての民家という一軒家的設えで、玄関あけると一段上がって内玄関。おそらくここで靴を脱いだに違いないって土間の先に椅子が並んでそこでまつ。奥に厨房、カウンター。天ぷらが揚がるカラコロした音に油の香りが漂ってくる。
メニューは単純。
せいろにざるにかけがあり、それぞれかき揚げ、山芋とろろ。
人気はかき揚げでかき揚げざるの食券を買う。
そろそろ先客が帰るであろうというタイミングにて、お店の人が食券回収。
座るとササッと料理が出てくる。小気味いい。
ここのかき揚げは具材がとても個性的。
エビや魚介の類は入らず、カボチャにニンジン、玉ねぎ、ネギにさつまいも。すべて野菜という内容で、それらを細かく切ってまとめて油で揚げる。一口サイズにはちょっと大きく、タレを入れたそば猪口に入る程度の大きさというその絶妙に感心します。蕎麦をぐるりと囲むように6個きれいに並んでる。
衣はバリッと香ばしく口の中で多彩な具材が散らかっていく。そのバランスの絶妙なること。何かが特別主張するかというとどれもが等価な感じで、ただ玉ねぎのスベスベ感だけちょっと特別。最後にカボチャ、あるいはさつまいもの甘味とホロッととろける感じがあとを引く。
蕎麦は断面丸くて硬い。コシがあるというより表面から芯まで等しく固くて噛みごたえがある。その噛みごたえに負けぬタレは濃厚で、辛味と甘みがほどよく強い旨味を感じる。
何度来ても印象的で、おいしいなぁ…、って思って今日も後にしました。オキニイリ。