まもなく創業70年。銀座の老舗のピアットウニコ
銀座で昼食。「銀座イタリー亭」にやってくる。
銀座一丁目のガス灯通り沿いにある。創業1953年といいますから来年でもう70年。
老舗です。
踊るようにピザ生地を伸ばす仕草のイラストも時代がかったコミカルさ。
お店の中も老舗の風格。
漆喰の壁にレンガ張りの柱。赤白チェックのテーブルクロスに真っ赤なクロスがひかれたテーブル。頑丈な椅子。
昔のイタリアンレストランにはこういう内装のお店が多かった。
はじめてここに来たのが30年くらい前のことでしたか…、はじめて来たときからなつかしく、今やってきてもなつかしい。不思議な魅力をもった店。
天井からはキャンティのボトルが吊り下げられて昔は壁にびっしりお客さまが残した名刺が貼られてた。今では随分すっきりしたけど気軽でおいしいムードはそのまま。
10食限定のランチをたのむ。
イベリコ豚のスパニッシュハンバーグとトマトのスパゲティーの盛り合わせ。ときたま6種類ほどの料理をひと皿に盛り付けたお子様ランチみたいな料理があることがある。今日は残念、それはなくってけれどこういう専門店でメインディッシュ、パスタの盛り合わせを作ってくれるってなんだかうれしい。
おしゃれに言えば「ピアットウニコ」って趣向のランチ。
テーブルの上には自家製調味料が2種類置かれる。ひとつは赤唐辛子を漬け込んだお酢。もう一種類は特製タバスコ。どちらもおいしく特に特製タバスコは粗みじんにした唐辛子がそのまま残ってまるで食べるラー油のような雰囲気。これを肴にワインを飲むのが好きだった。
木のボウルに入ったサラダ。
オリーブオイルがやってきて、サラダをシャクシャク。
食べ終わるタイミングでメインが到着。
ハンバーグの上にたっぷりかけられた焦がしバターが食べる前からなんとも旨い。
ガッシリとした焼きテリーヌのような食感。
豚ひき肉がみっちり詰まって歯ごたえがよく、噛むと肉汁がジュワッと奥歯の方からしみだしてくる。
流行りのとろけるようなハンバーグじゃなく噛めば噛むほど味わい濃厚になっていく肉々しさが特徴で、下にたっぷり添えられたマッシュポテトがとろけを演出。肉々しさを際立てる。
脂のうま味がどっしりとした豚肉に特製タバスコの辛味と酸味がよく合い旨い。
スパゲティーはアルデンテ。トマトの色は浅いのだけど味はしっかりトマトの酸味や甘みを感じる。ざく切りにしたフレッシュトマトとパセリくらいしか具はなくて、けれどオリーブオイルやニンニクの風味がとても力強くて、ハンバーグを覆ってた焦がしバターのコクも混じっておいしくさせる。
ハンバーグやスパゲティーを平らげてお皿に残るのはマッシュポテト。トマトの味や焦がしバター、特製タバスコの味が混じったゴチソウをパンで拭ってお皿をキレイにして終える。
お客さまが続々お店にやってくる。銀座の紳士の姿が多く、グループで来たスーツ姿のおじさんたちがみんなこぞってナポリタンって注文するのにニッコリします。
コーヒー飲んでありがたいかな1600円。オキニイリです、また来よう。