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焼鳥4本、ご飯にのせて…。

家の近所に「とり仟」って焼き鳥屋さんがある。

京橋に「伊勢廣」って老舗焼鳥専門店がある。鶏肉の卸し業からはじまった店で、銘柄だとか焼き方だとか蘊蓄がましい店が多い中にあってほどよきおいしさを守る姿勢が好きで贔屓にしてた。

鶏肉好きにタナカくんも好きなお店で、特にランチの焼鳥丼が手頃で手軽で好きだった。
そこのニューオータニの支店で働いていた人が独立、開業した店なんだ…、と聞きつけはじめて来たのは5年前。
住所を頼りに探すもなかなか見つけられず、しばらくウロウロ。オフィスビルとマンションだらけの町の小さな路地に見つけてホッとしたのを思い出す。
カウンターにテーブル8つほどの程よい大きさ。どこに座っても焼き場の様子を感じることができるサイズがいいなと思った。

思いついたら歩いて行ける。
どんなに酔っても歩いて帰れる。しかも気軽でおいしくて、重宝したから思い出も多い。それでしばらく来れてなかった。
ひさしぶりにやって来て当時の飛沫感染予防パネル以外はかつてとどこも変わらず同じ景色にグッときました。なつかしい。
ランチは丼、定食。どちらも串の本数で注文できて値段が決まる。伊勢廣譲りのスタイルで、値段はずっと手頃でうれしい。鶏そぼろを使ったそぼろ丼なんていうのもあって、この界隈に合わせる工夫もありがたい。

いつもたのんでた4本串丼選んでたのむ。
まず漬物に鶏のスープがやってくる。
鶏の旨みがどっしりしてて、セロリや三つ葉の香りがただようスープ。
伊勢廣さんのスープの匂いが力強くて、鶏好きさんにはおいしいのだろうけど、鶏の匂いが苦手なボクにはちょっと重たい。

ここのスープのやさしい味と香りがうれしい。
ゆっくり、じっくり味わってお腹があったまったところでメインが登場。
4本串丼。

串の種類はささみわさびに胸肉、つくね、それからネギマ。
串から外した焼鳥が縦にキレイにズラリと並べられてる。焼けたばかりの匂いがおいしい。

しっとりやわらかなささみは塩味。ワサビの風味が鮮やかで、鶏もも肉はふっくらとして噛みごたえがある。タレはサラリとさっぱりタイプ。醤油の風味が際立って、甘み少なく鶏の旨みが引き立つおいしさ。

つくねが独特。細かく叩いた鶏肉を自分の脂をたよりに丸めて固める。だからボッソリ、歯ごたえがっしりたくましい。肉を食べてるって感じがゴチソウ。
何より特別なのがネギマ。筒切りのネギを薄く削いだ鶏胸肉でくるんで串にさして焼く。表面は香ばしく焼け、内側は蒸されたたように仕上がっていく。ネギはキュッキュと歯切れて潰れ、ふっくらとした肉と混じってユックリとろける。

固めご飯の上には海苔。熱々ご飯のお陰で焼鳥がずっとあったかなのも丼のうれしいところ。満ち足りました…、オキニイリ。


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