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てんやは郊外とんかつ専門店の生みの親②

1980年台の後半といえばマクドナルドが「サンキューセット」を販売し、人気を博した頃でした。
ハンバーガーにフレンチフライとソフトドリンクのSサイズがついて390円というわかりやすい安さの値段の商品で、マクドナルドの社史にも「社会現象を起こした」と書かれているほど話題になった。
1971年にやってきたマクドナルドは決して安い印象はなかった。
単品ひとつ一つは安かったけど、ハンバーガーひとつでお腹も心も満たされるわけはなくあれやこれやとたのむと結局、高い買い物になっちゃった。

ファストフードは提供時間はファストだけれど決して安い店じゃなかったのですネ。
丼ひとつでお腹いっぱいになれた吉野家だとか立ち食いそばとは違った存在だったのに、サンキューセットでとうとう彼らと同じ土俵に降りてきた。
業界的にもそれは衝撃的で、以降、ファストフードは安くなくちゃいけなくなった。
日本の外食デフレはマクドナルドのサンキューセットからはじまったと言っても過言じゃないのです。

てんやもわかりやすい安さを訴える戦略をとる。
ワンコイン天丼…、つまり500円の天丼を大々的にアピールすることで行列を作ることに成功するのです。
ただとある問題に直面します。
その問題を解消するためにパートナー探しに奔走することになるのだけれど、その過程でボクたちの会社に相談が舞い込むことになったのです。


安く売るチェーン店にとって最も大切なものはなに

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