限りなく酢豚に見えて上海料理…、パイコー丼
新宿で打ち合わせをしてテクリテクリと家に向かった。
お昼を「シェフズ」でおいしい中華料理にしようとちょっと寄り道。
夜は繊細にして上等な上海料理をたのしむことができる店。上海蟹のシーズンにタナカくんとも来たことがある。
昼は手軽でおいしいのっけご飯が人気のお店。
先日は鶏もも肉をオーブンで焼いて香味野菜と一緒にご飯にのせた「海南丼」を選んで食べた。
今日はそのときどちらにしようかと悩んだ「パイコー丼」にすることにした。
まず小さなサラダがやってくる。お供は熱いプーアール茶。
レタスに千切りキャベツにトマト。
細切りにして揚げたワンタンの皮がサクサクとした食感そえる。
甘めの醤油ドレッシングは魚醤の香りが最後に残り、気持ちがふわっと上海に飛ぶ。
厨房からシュワシュワシュワシュワ、パイコーを揚げる音。
おいしい香りが漂ってきて、お待たせしましたとパイコー丼がやってくる。
ご飯の上に衣をまとって揚がった豚肉。
ぽってりとした黒酢をまとって、上にはどっさり白髪ネギ。
パクチーが彩り、香りを添えている。
ほどよき厚さの豚肉で、中国醤油の味わいに五香粉の香りがしっかりしみこんでいる。
衣はサクサク。スプーンでザクッと切り分けられる。
黒酢の餡が旨いんですね…、どっしりとした旨味にやわらかな酸味。ご飯は若干やわらかめ。だから餡と混じり合い、ぽってりとろけてザクザク揚がったパイクーの食感ひきたておいしくさせる。
パイコーの豚肉は右側が脂がなくてざっくり歯切れてさっぱりとした旨味がおいしい。左にいくにしたがって脂がのって、噛むとクチャッと潰れて口をひんやりさせていく。同じ豚肉が食べる場所でこんなに味わい、食感違う。オモシロイなぁ…、ってしみじみ思う。
真ん中のほどよいとこから食べはじめ、右に左に食べすすめるも結局最後は左側の脂ののったところを残す。
だって豚肉はやっぱり脂がおいしいんだもの。じっくり熱を入れられた脂は甘くてとろける。
たっぷりのせた白髪ネギがザクザク歯ざわりにぎやかで、口の中をみずみずしくする。パクチーの香りも鮮やか。あっという間にお腹におさまりそのおいしさにニッコリしました。オキニイリ。