黄昏の百貨店②

百貨店には呉服商から身を興した呉服系と、電鉄会社が経営する電鉄系に大きく分けることができると言われます

呉服系百貨店には三越、大丸、髙島屋、そごう、松坂屋、丸井今井。
電鉄系百貨店の代表例には阪急電鉄、京王百貨店、名鉄百貨店が、そのどちらにもあてはまるものには東急百貨店、近鉄百貨店が挙げられる。

…、ってウィキペディアに説明があるのだけれど、あらら、世界一の百貨店、伊勢丹のことは書かれていない。
伊勢丹のはじまりは「伊勢屋丹治呉服店」。
それで伊勢丹。
呉服系の百貨店。
ただ創業が１８８６年ですから比較的新参者で、当初は神田旅籠町に店を構えた。
今も秋葉原の電気街と神田明神の間あたりに創業の地の碑石がある。
そして１９３０年に新宿の地に移転し今に至る次第。

東急百貨店がそのどちらでもあるというのは、電鉄系の百貨店でありながら江戸創業の「白木屋」を買収したことでその歴史を吸収したから。
白木屋は日本橋で商売をはじめた江戸三大呉服店のひとつ。
越後屋、白木屋、大丸屋が江戸三大呉服店。
創業の地は東急百貨店日本橋店として営業していたけれど再開発を期にあっさり廃業。
コレド日本橋という複合ビルになっちゃった。

近鉄百貨店は京都の中村呉服店から別れた丸物という物産館を合併したからどちらでもあると分類される。

ちなみに呉服系百貨店の現時点での最高峰は伊勢丹本店。
世界一の売上高を誇る、つまり日本一の百貨店。
一方、電鉄系百貨店の最高峰は阪急百貨店本店で、日本で２番目の売上高。
そして同時に「世界ではじめて」の称号を持つ百貨店でもあるのです。

近畿の人は百貨店が大好き