クロワッサンとカフェオレで朝はシアワセ
新宿西口の商業ビルの地下レストランフロアにある「リチュエル」。
朝からやってる。
しかもクロワッサンがおいしくて、たちまちオキニイリになった店なんだけど、卵料理なんかもつけてフルブレックファストにすると少々値が張る。
そう言えばパンと飲み物だけの朝食セットもあったはず…。
そう思ってやってきてみる。朝の9時。
今日も静かでボクひとり。入り口のショーケースの後ろ側にはケーキ厨房があってそこでパティシエさんがケーキをずっと作ってる。
仕込み仕事を朝からしている。そのため人もいるわけだからどうせならばお店を営業すればいい…、ってことなのかも知れないけれど、人のいないホールを1人で独占しているみたいでうれしいのやら、申し訳ないのやら。
メニューを見るとたしかに安い朝食セットが用意されてる。
クロワッサンと生食パンのトーストというセットで、それらにジャムにバターに飲み物がつく。コーヒーや紅茶をたのめば600円。ボウルにたっぷりのカフェオレをつけると100円アップの700円。
カフェオレボウルを選んでたのむ。
やってきた料理を見て、これを日本的に翻訳すれば「白米のご飯とおむすびに汁」って具合になるんだろうなぁ…、ってふと思う。生パントーストは白ご飯。ジャムやバターは海苔に鰹節って感じでしょうか。クロワッサンはおむすびで、ボウル一杯のカフェオレは熱々の味噌汁ってとこ。朝ご飯はこれで十分という組み合わせ。
ちょっと甘めの生食パン。
さっくりとした口溶けのよい仕上がりで、焼き加減はほんのり弱め。
そのまま食べるのもおいしいだろうけど、カフェオレにひたして泡をのっけてパクリ。
ふっくらとしたミルクの泡で、口溶けのよいパンが一層しっとりとろける。
カフェオレボウルは熱々で持ち上げようとするもアチチとあきらめて、そっと手のひらをあてて体をあっためる。
バリバリに焼けたクロワッサンはちぎると壊れる。表面の焦げた生地が壊れてちらかり、お皿を汚す。枯れ葉がお皿に模様を描いているようで、バターとマーマレードを練ってペースト状にして散らかる生地をまとめてパクリ。
まるでそれはミルフィーユ。口の温度でバターがとけて、まとまる前の生地の欠片にもどってく。
おいしいなぁ…。
パンを食べてる感じを超えてまるでケーキ、それもかなり上等で濃厚味のパイを食べてるみたいな気がする。
そこでゴクリとカフェオレを飲む。時間がたって程よい温度になったカフェオレ。ミルクの甘味の中にコーヒーの苦味や酸味が混じっておいしく、口の中に残るバターをすっかりながして後口さっぱり。
考えてみればクロワッサンのこのサクサクの理由はたっぷりのバターを使って焼いているから。そこにバターを追加して食べる贅沢。カロリーなんて気にしてたら怖くて絶対食べられない。
朝だからねぇ…、いいんじゃないのって言い訳しながらすっかりキレイになくなった。