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誕生日のフカヒレにプリン

タナカくんの誕生日のランチはフカヒレ。「天厨菜館」の新宿の店にやってくる。

生きていれば今年で還暦。今日は60歳のお祝いです。
贅沢すぎないほどよき値段。にも関わらず上等な素材に丁寧な仕事がいつもたのしめるオキニイリのお店のフカヒレ。
今日のような日にぴったり。
天厨菜館の看板メニューのほうれん草と卵の炒飯に、フカヒレとアワビの煮込み、スープにデザートがついてるコースを選んでたのむ。

まずジャスミンティーがポットに入ってやってきてしばらくのんびり。スープと煮込みがやってくる。
今日のスープはコーンスープ。西洋料理のポタージュじゃなく中国風のコーンスープ。鶏ガラスープにとうもろこしのすり流し。片栗粉でとろみをつけたところに卵を落として仕上げたもので、揚げたお麩がクルトン代わりに使われている。
熱々、スベスベ、甘くてなめらか。あったまる。
スープを飲み終えたタイミングでほうれん草と卵の炒飯もやってくる。大根の醤油漬けに白菜の辛子漬け添えられていて、この大根の醤油漬けが好きだったなぁ…、紹興酒にピッタリだった。

分厚いフカヒレが半分にアワビが3片。
メインディッシュとしての風格十分。青梗菜が彩り添える。スベスベしていてプルプル、しかも繊維がザクザク歯切れるフカヒレ。
むっちりとして奥歯を沈めるアワビはやわらか。
鶏ガラスープに金華ハムの風味、旨味を合わせたスープあんかけがぽってり覆ってなんともおいしい。

炒飯は食感独特。
ご飯の芯まで火が通っていて噛むとフカッと空気を噛んでるような気がする。
軽い…、なのに奥歯が沈む不思議な食感。卵はふわふわ、ほうれん草はみずみずしくて塩と脂、胡椒で味が決まってる。

フカヒレとアワビの煮込みをかけて食べるのが好きだった。ご飯がスベスベするんですよネ…、炒飯の上品な味においしいあんがからんで口の中をすべるよう。

エバミルクを固めたゼリーにすりおろした白ごまで風味を付けたデザートでお腹に蓋して偲びます。


〆にオールシーズンズコーヒーにくる。
タナカくんの誕生日ですから、タナカくんの大好物のプリンを食べる。

四谷三丁目に支店があった。
そこは急な階段を上がった2階。
足を悪くしてたら階段は嫌いだったけど、銀座のピエールマルコリーニと六本木のオステリアナカムラ。
そしてオールシーズンズコーヒーの階段だけは嫌がらないで上がってた。
このプリンを食べるためなら…、とエッチラコッチラ時間をかけて階段あがり、大きな息をつきながらテーブルにつきうれしそうに食べていた。

小さなお皿にどっしりプリン。生クリームにチェリーの瓶詰め。昔は溢れるほどにたっぷりのカラメルが注がれていた。今はちょっと控えめで、それでもたっぷり。
食べる前からもうおいしくて、今日のお供はマキアート。エチオピアの深煎りでした。

お皿を動かしても揺れないほどにどっしりしていて硬めの仕上がり。
スプーンを入れるとムチュンと吸い付くようにしながら千切れる。その瞬間にブルンと揺れていくのがかわいく、愛らしい。

甘いです。卵の香りも濃厚で苦くて酸味鮮やかなカラメルが甘さをひきたてひきしめる。
全体としてなめらかなんだけど端の部分が焼けてザクリと歯応えがある。
ホイップクリームがとろける感じが切なく、そしておいしくてひと口ごとに幸せになる。そんな味。

チェリーを残してプリンを終えて、残ったカラメルをマキアートのミルクの泡に乗せてカラメルマキアートにしてゴクリ。

深煎りエスプレッソの自然な甘みにミルクのコク、カラメルの苦味と酸味がエスプレッソをふくよかにする。オキニイリです、オゴチソウ。


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