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私の好きよりみんなの好きが気になるの?
甘いものでホッとしたくてパイホール。
新宿駅の南口にあるビルの地下。気軽でしかもおいしい飲食店が並ぶフロアにあるお店。
チョップドサラダのおいしい店。
渋谷系のおしゃれなラーメン専門店。お茶漬けの店にカレースタンド、タイの屋台料理のお店とどこも一度は行ったことのあるお店が続いて、さて突き当りに…、と見ると工事囲いができていた。
コスメティックショップができるんだといいます。
確かにいつも心配になるほどのんびりとした店だったから、売上不足で撤退ということになったのでしょう。
飲食店や食品関係の物販店舗が集まるフロアで、一番大きな店だったから家賃負担も大変だったに違いない。閉店後は銀座のGINZASIXの店をお願いしますって告知の張り紙。なんだか寂しい。
多彩な食のたのしみを提案する…、というのがこのフロアのコンセプトだった。テナントが何度か入れ替わりはしたけれど、そのフロアコンセプトをかなぐり捨てて、化粧品の店を誘致する。日本の食の世界はどんどん痩せて貧しくなっていく。
最近、飲食店の閉店が止まらない。テナントビルや商業施設で飲食店が撤退したあとを飲食店以外の業態が埋めることも多くなり、一番多いのがエステ、化粧品。ホットヨガや加圧トレーニング系のパーソナルトレーニングショップが入ることも増えてきた。「食」より「美」、あるいは「健康」。美や健康が食と直接つながらないというのもなんだか悩ましい。
好きな店だったのになぁ…。
ピーカンパイがおいしかった。それに合わせていつもたのんでいたニトロコーヒーも独特で、カップの底からきめ細やかな泡が次々湧いてくるニトロコーヒーは酸味がおいしく喉越しなめらか。ピーカンナッツの甘みを引き立て、気持ちを甘くしてくれた。
セルフサービスだった店。
食べ終わった食器を片付けるステーションがいつもキレイで気持ちよかった。
いつもキレイに整ってるから、ボクもキレイに片付けなくちゃ…、って思ってキレイが持続していた。
お店の人が定期的に汚れた食器を片付けてはいた。
けれど全部片付けるのでなく、お皿やカップを数個だけきれいな状態で残しておいた。
それがお手本のようになって続いた人が真似てキレイが保たれていた。
そういう工夫も含めてボクは好きだった。
アメリカのスイーツといえばパンケーキばかりがチヤホヤされて、パイのお店は少なくなった。GINZASIXのお店にいくかバビーズかなぁ…。どちらにしてもここのピーカンパイは秀逸でボクの好きな味だった。残念至極。
お茶を飲む場所を探さなくちゃ…、と施設を出ようとしたらフロアの3割近くを使ってた、オンリーワン系のスイーツ、食品が集まるエリアもクローズされてた。なんとカルディができるんだという。
同じ新宿西口の北の端っこのデパ地下にもあるお店がなんでここにまで…。
みんなオンリーワンが好きだとか、自分の好みに素直になりたいとか言っているのに、オンリーワンな店がなくなりどこにでもあるチェーンができる。「自分の好き」より「みんなの好き」が気になる風潮。なんだかすごく悩ましい。
ちなみにできたばかりのオンリーワンを目指した「広東麺チャーリー」が閉店しちゃったという噂を聞いて行ってみたらやっぱり閉店。嫌な予感が的中しました。なやましい。