長春館で肉を焼く
肉を焼こうと「長春館」にやってくる。
タナカくんと最後に食べた焼肉がここのランチの焼肉でした。新宿御苑でお花見をして、いつものようにそばを食べて帰ろうとした。けれどコロナで目当てのそば屋が閉まってて、それなら肉を焼こうじゃないか…、とここに来た。
だから最後の花見の最後の焼肉。なつかしい。
コロナ前には毎日ランチをしていたここも、今では週末祝日だけのランチ営業。気軽に来れなくなっちゃった。
それにしてもすごい煙です。
ビルから煙が噴き出しているように見えるほど。ロースターから吸い上げたダクト伝いのおいしい匂いの煙が食欲沸かす先味。
ひとり用のカウンター席に炭の容器がやってくる。
使い込まれた小さな鉄鍋に炭をぎっしり。ステンレスの器に収まり上に網。炭の香りと一緒にまわりがあったかくなる。喉が鳴る。
ハラミとカルビの盛り合わせ。お弁当箱にサラダとキムチ、もやしのナムルと一緒に収まり到着。ご飯とわかめスープでひと揃え。
サラサラとした醤油のタレに唐辛子味噌。
この唐辛子味噌が大好きでネ…、たっぷりとってタレに混ぜとっぷりつけていつも食べてた。
ヒリヒリするような辛みが肉の脂をおいしくしてくれる。
カルビは脂がほどよい状態。脂まみれの肉はそろそろ卒業ですからこういう肉はありがたい。
ハラミは乱切り。分厚く切ってタレをキチッともみこんでいる。
ハチノスを追加しました。タナカくんが好きだったのネ。
韓国食材のお店に行くと必ず大きな塊を買って丁寧に下ごしらえして煮込んで食べてた。焼いて食べるのも好きだった。
網の上に肉をのせるとジューッと湿った音がする。
脂がほどよき肉ばかり。
だから炎がたつようなことはなく、炭の様子をみながらじっくり焼き上げる。
端がこんがり焦げたところでタレにくぐらせ赤唐辛子の味噌をのっけてパクリと食べる。炭の香りと焦げた脂の香りがフワッ。
噛むと肉汁じゅわっと滲んで口の中が潤う感じ。
カルビはほどける。
ハラミは奥歯をガツンと叩いて、肉の香りをまき散らす。
そしてハチノス。
表面から突き出す小さなトゲトゲが焦げたところが食べ頃で、噛むとサクサク焦げたトゲトゲが崩れてく。
食感ふっくら。ムチムチで徐々に粘っていくのがおいしい。内蔵モノに独特の香りがおいしく、これが好きだったんだよなぁってしみじみ思う。そして冷麺。
ここの冷麺は本当においしい。
ひとりになってからずっとミニサイズをたのんでた。
通常サイズとの差はたった100円っていうことにはじめて気づいて通常サイズを選んでたのむ。
今日はお腹いっぱいを心おきなくたのしむつもり。チートデイ。
いつもながらに具材がたっぷり。薄切りにしたきゅうりの酢漬けに白菜キムチ。白ネギに塩ゆでにした鶏胸肉のほぐし身、茹でた卵が半分。小さなトマトにパイナップルとなんともにぎやか。
透き通ったスープはしっかりとしたコクとうま味にほどよい酸味。麺はスベスベ、そしてムチムチ。
食べてるうちにキムチの味が混じってスープが赤身を帯びていく。
焼いたハラミをのせると脂がスープに混じって一層コクが深くなりお腹があったかくなっていく。
お腹も気持ちも満ちました。