珍しく朝からサラダを食べるのさ…!
新宿御苑の横を歩く。大きな木々がこちらに向かって溢れ出し、ゆっくり大きく揺れている。
小さな枝の一つひとつがゆったり自分の揺れ方でザワッと動いてしばらくおさまり、再びザワリと揺れる姿に気持ちが揺れる。
風が揺すっているんだとわかっているけど、何かが…、それも無数の何かが枝や葉っぱのひとつ一つを動かしているような気がして涙が出てきた。彼は空の向こうにいるんだろうか。
そう思った途端に一際大きく木々が揺れ、そうなんだなぁって思ってちょっと立ち止まる。
大きく息を吸って、ゆっくり歩いてグッドモーニングカフェに到着。朝ご飯。
最近、朝に来るたびお店の中はニギヤカ。好きなテーブルが開いていないことがほとんどで今日もそんなニギヤカな朝。それで表のテーブルにつく。急に気温が下がって肌寒いけど心地よい。
マーケットサラダボウルっていう朝のメニューがあってそれをたのんだ。
「あら、珍しい。野菜不足でらっしゃいますか?」っていつものスタッフにびっくりされて、そういうボクもびっくりします(笑)。なんだか写真が色鮮やかでおいしそうに見えたから。
サラダと一言でまとめてしまうのがもったいないほどいろんなものがひとつボウルに集まっている。
オリーブオイルでドレスされた葉っぱ野菜にグリルしたれんこん、かぼちゃにピーマン、パプリカ。ローストポテトに茄子のピュレ。紅芯大根、キャロットラペにマグロのコンフィ、ナッツにグラノラ。半熟卵にモルタでッタ。トマトにいちごと色とりどり。
素材の持ち味をじゃませぬ程度の味がそれぞれほどこされていて、口の中で混じり合うのがおもしろい。
歯ごたえ多彩。
風味も多様で食べてて飽きない。
たのしく体にやさしい朝のオキニイリ。
とは言えやっぱり温かいものも食べたくて、山高ブレッドのトーストとグリルドベーコンを追加でたのんだ。
どちらもよく焼いてくださいね…、ってお願いしただけあって、分厚く切り分けたトーストはこんがり見事な焼き加減。トースターじゃなくてグリドルで焼いているから中はふっくら、しっとりしていて表面だけがサクッと乾いた感じ。そこにバターをのっけるとしっかり馴染んで口をひんやりしてくれる。
ほどよき厚さのベーコンがスパッと切れるごついナイフにいつも感心。今日も気持ちいいほどキレイに切れて、その切れ心地も旨さのひとつ。脂がのっててしかもしっかり焼ききれて噛むとジュワッと塩気混じりの旨味が広がる。
サラダの上にベーコンちらして一緒に食べる。焦げた脂の風味が野菜をおいしくさせる。風味だけじゃなく野菜にはない噛みごたえ、歯ごたえ、歯ざわりが口の変化を作ってくれてたっぷりの野菜がお腹の中に収まる。
パンとベーコン、バターとコーヒー。ゆっくりじんわりたのしみ食べる。よく焼けたトーストとベーコンってなんでこんなに合うんだろうなぁ…、ってしみじみ思って朝をのんびり過ごします。