スパイシーなスープと思えばすべてよし!
東京駅の八重洲地下街。最近できた「東京カレーカルテット」っていう施設を訪ねる。
カレー専門店を4軒集めた…、っていうのが売りの施設なんだけど4軒がただ集まっているという工夫をまるで感じぬ施設。
4軒の真ん中に小さな広場のようなスペースが作られていて、そこに客席を作ればフードコートのようになりそうなのに、お店それぞれ客席があり食べ比べとかができない造り。
お店によって混む店、暇な店があり互いに客席を融通できれば合理的な営業ができそうにも思うのだけど、もったいない。
おそらく一番人気の行列店は「コロンビア8」っていう大阪からやってきたスパイスカレーのお店で、そこを試してみます。
キーマカレーがメインの商品。入り口で注文をしてカウンターに案内される。目の前にはスパイスの瓶。厨房の中には調理スタッフがひとりだけ。粛々と、そしてテキパキ料理はできてお待たせしましたと大きなお皿がやってくる。
一般的なキーマカレーとは様相がかなり異なるオリジナル。
スープ状のカレーの海の真ん中にサフラン色したご飯の小島…、って感じの姿。
ご飯の上は味付けをしたひき肉が乗せられ、揚げたししとう一本とスライスオニオンの酢漬けが置かれてる。
カレースープには茹でたインゲン豆のぶつ切りやレンズ豆にキドニービーンズ。他にもなにやらいろんなものが混ざっているも、小さかったり壊れていたりでなにが何やらわからぬマサラな状態。ドライバジルやオレガノもたっぷり浮いてて、とにかく何かに効きそうな感じがするのがオモシロイ。
スパイスの香りが鼻をくすぐって頭の中が汗をかく。
「右手にスプーン、左手にししとう」というのがここのキャッチフレーズで、ししとうを齧りながらお召し上がりくださいとお店の人にも促されししとうもちあげ、さて、食べる。
ピリッと辛さが舌を刺す。ビリビリじゃなくて、ピリッ、ピリッと小さな刺激がしばらく続き、舌全体がポワーンっとあったかくなっていく。
しみじみ辛く、スパイスやハーブの香りも華やかで舌がドギマギするほどいろんな味が次から次へとやってきて、どうしようかとうろたえてるとスープの旨みがそれらをひとつにまとめて豊かな風味に変えていく。
カレーというよりこれはスパイシーなスープなんでしょう。
ご飯も硬めで麦がかなりの量混じってて量は控えめ。スープの具材の1つと思えば、その控えめな分量も納得できるほどよいボリューム。情報量の多い料理で、戸惑う舌が揚げたししとうを齧ることで見事にリセット。グレープフルーツジュースがサービスで添えられていて、舌に重なる辛みをリセットするのがなんともうれしく、ありがたい。
お皿で提供されるためスープをキレイに食べるのに難儀するのがいささか残念。お皿を斜めに倒して何度もスプーンですくってお皿は空っぽ。これはかなりのオキニイリ…、って思いながら歩いているとマスクで覆った唇がヒリヒリしました。汗もかく。