一等商圏の二等立地を狙うビジネス
台湾に「京鼎樓」っていうお店があります。
ジンディンロウ。小籠包がおいしいことで有名な店で、店をたくさん増やしてしまったディンタイフォンよりこちらの方がおいしくなった…、って言う人もいる。
いち早く日本に進出したディンタイフォンを追うようにして、彼らも東京にやってきてしばらく足踏みしていたけれど、最近、いろんなところにお店を出してる。
たまたまやってきた上野の駅の改札口をでたとこにお店があって試すことにした。
それにしても微妙な場所です。改札口の前とは言っても利用者の少ない目立たぬ改札の正面という場所。
「一等商圏の二等立地」とでもいいますか。そういえば日本進出一号店の恵比寿の店も、裏口の前という二等立地。おそらくそういう場所を選ぶのが彼らの戦略じゃないかとボクは思ったりした。
一等商圏であるということはいろんな層のお客さまがたくさん集まる場所ということ。けれど目立たぬ二等立地はわざわざ来る人でないと来れない場所でもあって「特徴のあるコンセプト」の店が出店するには割といい場所。
しかも家賃はそれなりに安くあがるから、ファンを獲得するまでの時間の猶予をもてもする。後発チェーンの選択肢として悪くない。
もてなしの工夫をいろいろしてもいました。
調味料の横に置かれたカトラリーケース。
何気なく手にしたエコ箸は筒状の箸置きで一膳ずつ束ねられて用意されてた。
箸置きを用意する店が激減している中にあってのこういう工夫。いいなと思う。
ランチセットにまず前菜。
豆腐の上に茹でた小エビとネギ油。気が利いていてしかもおいしい。
小籠包が3個せいろに入って到着。
てっぺんがちょっとへしゃげた不細工顔が残念だけど、肉汁たっぷりコクもあり味は上等。
なによりたっぷり千切り生姜がついてきて、黒酢をかけてのっけて食べると気持ちは台湾。おゴチソウ。
メインは五目あんかけ焼きそばを選んでたのんだ。
五目あんかけって健康的にお腹いっぱいになれる料理において極めて合理的にて効果的。中国料理界の大革命のひとつじゃないかと食べるたびに思ってしまう。
白菜、ニンジン、小松菜、たけのこ、分厚いきくらげと野菜たっぷり。エビや豚肉、うずら卵が2個も入って味わい、食感、風味もにぎやかなのにニッコリします。
麺は中太。蒸して多めの油でこんがり焼かれてところどころが焦げて仕上がる。もうちょっとだけ麺が細くて焦げの加減も強ければ、ボクの好みになったんだけどこれでも十分。オキニイリ。
芥子がたっぷり別皿に添えられているのもありがたく、白酢をたっぷりかけまわし、スッキリ味でもりもり食べる。野菜でお腹がいっぱいになれたような気持ちがするのがいい感じ。
食事がそろそろ終わる加減で、お店の人がやってきて「お水を足しておきましょうね」とグラスにたっぷりお水を注ぐ。テーブルの上に飲むべく薬を並べていたのに気づいたのでしょう…、「お薬を飲むのにこれで十分でしょうか?」なんて一声添える。
お勘定をしようとレジにたったら「バタバタして申し訳ありませんでした」ってまたひと言。悪くないなぁ…、見守られてるって感じがするってなんてステキと思う午後。
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