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東京ヤエチカ、初藤の朝

東京駅から出張の朝。ひさしぶりに「初藤」で朝食をとる。

新幹線での移動が頻繁にあった頃にはよく来てた店。八重洲地下街の中にあって、夜は居酒屋。朝と昼は気軽な定食というメニュー。
外壁から突き出るように設えられたメニューサンプルが迫力あってインバウンドさんが写真を撮ってた。

朝の時間だけ券売機。朝食メニューだけなのに目立つところに生ビールの写真つきのボタンがあって、案外朝から飲む人がいる。
自由なムードがボクは好き。
ここで一番好きなメニューが目玉焼き。
「玉子はよく焼きでお願いします」って注文つけて食券手渡す。
「ご飯の量は」と聞いてくれ、半分でってお願いしました。ご飯半分っていう人はさすがに少ないけれど、ご飯少なめって言う人は案外多くて、そういう時代…、って思ったりする。
お店は朝からにぎやかです。おじさんたちが多いかなぁ…、中にはこれから旅に出るのであろう大きな荷物を持った恋人たちもいたりする。

卵の料理は時間がかかる。
特によく焼き目玉焼きは時間がかかってちょっと待つ。
スピードメニューは豚汁定食。
大食漢だった昔は目玉焼き定食に豚汁つけて食べてたものです…、なつかしい。
おまたせしましたとやってくるお膳の上にはご飯に味噌汁、海苔に漬物、小鉢にメインでひと揃え。

卵を2個使った目玉焼きに千切りキャベツにマヨネーズ。
ひっくり返さず蓋して蒸らして仕上げたのでしょう…。
白身はプルンとなめらかで、卵の上には胡椒がパラリとほどこされている。
脂の焼けたおいしい匂いが鼻をくすぐる。
それというのも理由があって、ひっくり返すとほら、ベーコンが二切れ並んでこんがり焦げて焼けている。

だからベーコンエッグ定食と言ってもいいのに「目玉焼き」と名乗る、謙虚で控えめなところにいつもニッコリします。

目玉焼きには醤油をかける。卵焼きにはウスターソース。焦げた卵の白身には醤油の香ばしい匂いがあうようで、味わいやさしい卵焼きにはスパイシーなウスターソースがあうと思っていつもそう。

白身はプルン。黄身はしっかり固まっている。けれど芯の部分は若干やわらか。半熟とまではいかないけれど、黄身がパサツクことはない。
こわ目に炊けたご飯にのっけてハフっと食べる。焦げてサクサクになったベーコンが壊れる感じもオキニイリ。

千切りキャベツにはウスターソースをかけてむしゃむしゃ。マヨネーズは海苔に塗ってご飯を巻いてパクリと食べる。スパムおむすびのスパム抜き。あるいはツナマヨにぎりのツナ抜きみたいな味がするのがオモシロイ。
ワカメとお麩がたっぷり入った味噌汁にしっかり味の入った切り干し大根。どれもご飯をねだるゴチソウ。ほどよくお腹を満たしてお薬ゴクリ。新幹線で北にゆく。


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