思い出のアッサムミルクティー
「ダグ」で午後の時間を無駄遣い。
通りに面したドアを開けるとお店に降りる急な階段。
一段ごとにジャズの音が大きくなって、同時に暗くなっていく。
カウンターを挟んで階段近くが禁煙席、奥が喫煙席になっててタナカくんもボクもタバコを吸わないけれど、喫煙席から見るカウンターの景色が好きでいつも奥の席。
カウンターには洋酒の瓶が並んでて、昼でも飲めるムードがたのしい。
こういう店が好きだったなぁ…、銀座と紀尾井町、中野にそれぞれオキニイリのバーがあり、でも一番来たのはこのお店。
ジャズって、なにも話さずボーッとしててもさみしくはなく、おしゃべりしてても煩わしくない不思議な魅力をもっているネ…、なんて言って重宝してた。
タナカくんはシングルモルトをオンザロックで飲むことが多かったかなぁ。ゆっくり時間をかけてのみ、最後にアッサムミルクティーを飲んで〆っていう感じ。
その思い出のアッサムミルクティーを飲んでぼんやりすることにした。
ここのアッサムミルクティーは手鍋でミルクを温めて、アッサムティーの茶葉を煮込んでストレーナーでこして仕上げる本格派。
できたばかりは熱々で、フーフーしてもまだ熱い。
ズズっと空気をタップリ含ませ啜ると味はわからないけど、紅茶の香りが鼻から抜ける。温度が下がると渋みとコク、砂糖の甘さにミルクの旨みが口に広がる。
一枚ついてくるビスケットが好きだった。当時のボクは甘じょっぱさが好きでなくってタナカくんがいつも代わりに食べていた。
ビートルズの「A day in the life」をカバーしたジャズ。ビートルズだけを歌おうよ…、ってカラオケボックスに行ったとき、一緒に歌った。なつかしい。