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スペイン料理で夜が更けます、岐阜の夜

夜、岐阜でスペイン料理。「バル・バロッサ」というお店。
シェフがひとりでひたすら料理を作ってふるまう。
にもかかわらずメニューは多彩でどれもおいしげ。何を食べようと悩んでいると、お店の人がやってきて今日のおすすめを丁寧に説明していく。そ
れを手がかりにメニューを決めていくのがたのしい。

ハモンイベリコをまずもらいおしゃべりしながら料理を待ちます。
乾いていながら口に含むとしっとりしてきて脂がとろける。噛めば鰹節の塊がほどけるように崩れて口の中をおいしくさせる。

続いて「スズキと水茄子のセビーチェ」。
これが酸っぱい。ライムジュースに青唐辛子の辛味をくわえ、歯ごたえしっかりしたスズキの切り身とふっかりとした水茄子、硬めに茹でたオクラをあえている。
コリアンダーをたっぷり添えてエキゾチックな香りもおいしい。
喉の入り口がイガイガするほど酸っぱいのだけど、それが決して嫌じゃないのネ。むしろお腹の入り口がパカンっと開く夏のゴチソウ。

マッシュルームのアヒージョがグツグツしながらやってくる。
オリーブオイルの中にニンニク。
ほどよき塩味。
マッシュルームの芯まで味が入ってて、油に浸したパンまでおいしい。

じゃがいものオムレツはどっしり大きく、食べられるんだろうか?って思うも束の間。
じゃがいもホクホク、玉子はふるふる、焦げたチーズの香りもおいしく口の中であっという間にとろけて消える。
出汁をたっぷり含んだだし巻き卵の中にじゃがいもが入ってる…、って感じと言えばいいかなぁ。
オリーブオイルの緑の香りもさわやかで、時折、奥歯にぶつかるベーコンもまたおゴチソウ。

続いてアスパラガスのチーズ焼きがやってきたんだけど、これが今日一番のおゴチソウ。
アスパラガスがチーズの海で溺れてるって感じが目にまずおいしく映る。

ガーリックトーストの上に乗せた姿がなんともおいしい。
硬めに茹でたアスパラガスにとろけるチーズ。
アンチョビの粉をふりかけこんがり焼かれてこうばしい。チーズの塩気に渋み、アンチョビの塩気に海の香りが混じり合い、口の中を旨味の洪水が襲う…、そんなおいしさ。
お皿に残ったチーズをパンですっかり拭ってハフハフ食べる。

メインは豚ロース肉のビール煮。ビール由来の苦味が豚の脂の甘味をひきたて、口や体がしゃきっとしてくる。

〆はパエリア。
イカのパエリア、ひよこ豆とささげの茄子のバレンシア風パエリアの盛り合わせ。
イカのパエリアには青唐辛子が刻んで混じりヒリヒリ辛く、バレンシア風パエリアは野菜の旨味が口に広がる。
鍋にこびりつくおこげを剥がしてニッコリします。
お腹いっぱい、おゴチソウ。


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