築地の朝の緑のスパゲティ
都バスにのって築地に向かう。
四谷の駅から出たバスは半蔵門を抜けて皇居のお堀の脇をゆるやかにおり、三宅坂から桜田門。数寄屋橋を抜けて銀座に入る。
歌舞伎座を左手に見て木挽町から築地に至る。
観光ルートのような路線で、特に皇居のお堀越しに銀座や丸の内の町を見下ろす瞬間は、東京の町のステキにウットリしちゃう。
築地市場の入り口に着いた時間は9時22分。ダイヤよりも1分遅れと謝る律儀な運転手さん。
運転はなめらかにしてやさしくてなんだか得した感じにニッコリ。
そのまま「フォーシーズン」に向かいます。
今日はインバウンドさん寝坊推奨の日だったのか、築地場外はいつもに比べて静かです。
もっともこの店が面した通りは場外エリアの外れにあたり、他の通りに比べていつも静かではあるけれど…。
お店も静かでボクひとり。
和風スパゲティを注文するとまずサラダ。
レタスにトマト、茹でた卵に千切りニンジンといつも通りに甘酸っぱいドレッシングがたっぷりかかる。目が覚める。
厨房がにわかににぎやかになっていく。
ガコンガコンと中華鍋を五徳に打ち付ける音にジリジリ麺が焼ける音がする。
音が一旦おさまるとジャーっとタレを注ぐ音。
醤油が焦げるおいしい香りがやってきて、それに続いてジャジャッジャジャッと小刻みで軽い音がする。
鍋をゆすって麺を宙に浮かせながら焼き上げているんでしょう。
間も無く料理がやってくる。
刻んだ大葉で覆い尽くされたスパゲティ。
湯気でゆらゆら大葉が揺れて、熱々だよぉ…、って目に訴える。
フォークを入れて麺を軽く引っ張り出すと夥しい湯気が噴き出してくる。焦げた醤油の匂いに大葉の青い香りが混じって食べる前からもうおいしい。
焼き切られた麺は引き締まっていてゴリゴリ硬い。
アルデンテとは違った表面から芯までほどよく硬い感じが独特で、この食感が唯一無二でボクは好き。
ちょっと甘めの醤油ダレ。タバスコをバシャバシャかけるとそこに酸味と辛味が混じってボクの好みの味になってく。
具材もたっぷり。大葉の下には刻み海苔。ソーセージにしいたけ、玉ねぎ、それからピーマン。
刻んだ赤唐辛子も案外たっぷり入ってて、どれもしっかり焦げて仕上がり風味がいいのネ。
水っぽくないからフォークにしっかりからんでくれるところもうれしい。
ハフハフモグモグ食べてくと、最後に具材がたっぷり残る。
スプーンですくってお腹におさめお薬飲んで市場をちょっと散歩する。