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おいしい以上にたのしい焼肉
うちの近所にオモシロイ焼肉屋がある。
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「ヒロミヤ」という店で行ってみたくてしょうがなく、けれど予約が取りづらい。かつては2年待ちが当たり前と言われた店。
今では支店ができ、コロナの影響もあって予約しやすくなったとはいえ2ヶ月前に今日の予約がやっととれた。
しかも時間は午後3時から。
友人たちと連れあって雨の中をやってきました。場所は曙橋というぼんやりした町。表通りに面した民家を使った店で、時間通りに来たらすでに他のお客様でにぎわっている。平日の午後の3時のこのにぎやかさってやっぱりすごいじゃないかと感心します。
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ボクらのテーブルは二階貸し切り。テーブルの上に七輪が置かれてすでに炭がおこって準備万端。メニューは7500円のワンコースだけ。飲み放題でご飯付き。
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テーブルの横に業務用の冷蔵ショーケースがドンッと置かれて中に飲み物が収められてる。
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ソフトドリンクにワインにお酒。ジンやウォッカや焼酎、リキュール。生ビールとハイボールのサーバーも置かれてそれが全部飲み放題。氷はクーラーボックスの中にたっぷりおさめられてて、自分で好きなように作って好きなだけ飲んでいってというのがたのしい。
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ご飯もジャーに収められててこれまた自由に食べ放題。手間のかかるサービスをセルフサービスにすることで節約できた人件費を原料費にまわしておいしい肉を食べてもらおうという仕組み。だから肉はどれもうっとりするほど見事です。
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上タン塩は分厚くやわらか。
タレを軽くまとったロースもカルビも分厚くざっくり歯切れる感じがゴチソウ。
特選炙りロースという薄切りの肉は脂がとろける。
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歯ごたえをたのしむべきものは厚く切り、口溶け感をたのしむべきものはこの上もなく薄く切る。
焼肉なんて肉を切って並べるだけって思われがちな料理だけれど、切り方ひとつで味がまるで違ってしまうとてもデリケートな料理なんだってしみじみ思う。
それぞれ1枚、あるいは2枚づつなんだけど一枚、一枚が圧倒的なおいしさでいろんな肉をたのしめるのがありがたい。
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レバーがやってくるのだけれど「新鮮だけど焼いて食べるレバーです」と但書きまで一緒についてくるのに笑う。
塩カルビ、豚軟骨にカモのもも肉と塩ものが最後近くにやってくる。
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普通は塩からはじまって徐々に味の強いタレものへと出されることが多いのだけど、ここの肉は脂が旨い。まずは最初に脂の強いものを出し、舌が疲れた頃合いで塩でさっぱり食べさせる。しかもカルビは大根の酢漬けでまいて食べてみてという。サクサク歯切れる大根に酸味がカルビをさっぱりさせる。パリパリ砕ける豚軟骨には生姜の味噌と、おいしく食べる提案に関心します。オモシロイ。
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歯ごたえたのしいツラミは生のピーマンと一緒に食べる。分厚いステーキにはニンニクチップとどれも組み合わせがなんとも絶妙。
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〆は和え麺。むっちりとしたうどんのような麺がおいしく、お腹いっぱい。満足す。