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冬の美味です、あられそば
朝から浅草。野暮用こなして時計を見ればランチどき。
午後から人に会うようがあり、気持ちはちょっとせわしない。ただ今の季節に浅草にきて、食べておかねば後悔するんだ…、と尾張屋本店にやってくる。
ショーケースを見るとある、ある。あられそば。
早速たのんでズルンとたぐる。
熱々のそばの上に海苔を一枚。その上にアオヤギの小柱をちらして仕上げる冬の蕎麦。海苔の香りが力強くて目の前に磯辺があるような気持ちにすらなる。
海苔が汁を吸い込んでゆっくり沈む。生の小柱に熱が徐々にはいって白味をましていく。
蕎麦はスルンと口の中へとやってくる。海苔の風味と小柱が吐き出す貝の旨味も一緒にやってきて、口にあふれる滋養にみちた冬のおいしさ。柱を食べるとサクッと歯切れる。こんなにやさしい食感のあられが他にあろうかとウットリしながら、スルンスルンとお腹の中に蕎麦をおさめる。軽い酸味を帯びた汁。冬本番のおごちそう。